楳図かずお

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漂流教室 (6)漂流教室 (6)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:80
評価:80
最後が惜しい
「未来に蒔かれた種」という終わり方は悪くありません。
むしろ、これだけ破滅的な未来を描く一方で未来を担う少年たちに希望を託すラストは作者の人類への期待を伺わせて感動的です。加えて翔は「もう母の元に帰るわけにはいかない」とも言っていたので風呂敷のたたみ方としてはベストでしょう。
しかし、それだけに大友の唐突な変貌には納得いきません。2人の和解にアッサリ賛同してしまう仲間にも違和感を覚えてしまいます。
おかげで最後はやっぱり大友が裏切るんじゃないかとある意味ハラハラしながら読んでいました(急にロマンチストになってしまうのもいただけない)。
おそらく作者もこの内ゲバをどうまとめようかと相当悩んだのだと思います。
大友の葛藤をもう少し説得力を持って描ききれていたら文句なしの満点でした。
評価:100
最高傑作。
これは私が出会って来た漫画の中でも最高傑作と呼ぶに相応しい漫画である。

ぐいぐいと読者を引き込む力、ストーリーのスピード感、物語自体が持つメッセージ性、どれをとってしても一級品である。
多少グロテスクな箇所もあるがそれをただグロテスクなだけで終わらせない描き方はさすが楳図かずおである、とうならざるを得ない。
色々な意味で一度読んだら忘れられない作品であろう。
評価:20
悪いことは言いません
悪いことを言わないから、
一番最初のヴァージョン(サンデーコミックス)を、
何とかして手に入れて、読んだ方がいいと思う。

僕は、サンデーの連載には間に合ってない世代だけど、
中学生のとき、サンデーコミックスで全巻読んで、
怖ろしい衝撃を受けました。

悪いことを言わないから、
言葉狩りが入ってないヴァージョンを読むのを勧めます。
「言葉狩りされた作品の質は、確実に落ちる」
筒井康隆も、そう断言しています。
評価:100
未来にまかれた種
最終巻。いよいよ食糧も水も底をつく。こども同士の闘いも極限状態を迎える。そして、なぜ大和小学校が漂流を始めたのかが、ここで初めて明かされる。
主人公「翔」はこどもたちみんなの「想い」と「おかあさん」を含む世界中の人々の「想い」の力によって、もとの世界に戻ろうとするが、翔の片腕としてずっと活躍してきた「咲っぺ」が失踪してしまう。
翔の言葉、「ぼくたちは何かの手により、未来にまかれた種なのだ」がすべてを決する。
荒涼を極めていた世界に、少しずつ変化が現れ始めた
評価:100
天才楳図かずおの妙技を見よ
「子供」の残酷性、極限状況におかれた「集団」の人間心理・・・それを作者の独特の表現で描かれていく様は正に「圧巻」の一言。「漂流教室」に限らずこの人の漫画は、戦後漫画の本流から外れたところに才能が開花した異端な存在でしょう。                             


漂流教室 (1)漂流教室 (1)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
何としてでも生きてゆくぞ! その必死の思いが胸を打つ
 ある日突然、この世界から学校ごと吹き飛ばされてしまった小学校の先生と生徒たち。先生たち大人は案外だらしなくて、その分、翔(しょう)ちゃんと咲(さき)っペをはじめとする少年少女たちが大活躍します。十五少年漂流記ならぬ、八百五十少年少女漂流記。次々に襲いかかる難局に、試行錯誤しながら何とかしてそこを乗り切ろう、「何としてでも生きるぞ! そしてもういっぺん、なつかしいお父さんやお母さんたちに会うんだ」とそれを心の支えにして生活する彼ら、小学生たちの必死の行動に目が離せなくなってしまう漫画でした。
 いくつかびっくり仰天させられた話のなかでもとりわけ「ドカン!」と衝撃を受け、感動したのは、「息子は絶対に生きている!」とひたすら信じて行動する翔ちゃんの母親の勇気と希望、そして息子との絆の強さでした。この子にしてこの母ありとでもいう、最後まで絶対にあきらめないその捨て身の行動には、胸がいっぱいになりました。
 1972年(昭和47年)から1974年にかけて「週刊少年サンデー」に連載された楳図作品の最高峰。文庫の第1巻から第6巻まで、怒涛の如く一気に読ませてしまう大傑作だあ、グワシ!
評価:100
天才楳図かずお
 楳図かずおは天才だ、と思いました。怖いし、面白い傑作SFホラー作品です。欲しかったものを買ってもらえず母親とけんかして翌朝学校に行った小学生が、原因不明の大爆発により、小学校ごと、異次元世界へと飛ばされます。そこは、周りを荒れた砂漠に囲まれる見たことのない何も無い土地です。ここはいったいどこなのか。食料も限られている中(給食しかない)、校舎を本拠に全校生徒が原因究明をしようとします。しかしすぐに、頼れるはずの大人(教師)が醜い本性を現します。その後大人はいなくなりますが、今度は子供同士がいさかいをはじめます。そしてさらには見たことのないグロテスクな生物が登場します。ハッピーエンドではありません。
 この作品の魅力は、人を怖がらせ、かつSF的に楽しませるという二つのことを同時に達成した点にあると思います。
 出てくる登場人物はほとんどが小学生ですが、言動は人間的でリアルです。行動に非合理的なところはありませんので、大人も楽しめます。
 人を怖がらせることはたいへん難しいことだと思いますが、子供を主人公にして、人間の醜い部分を描くこの作品の怖さは、ホラー作品の中でも特別な存在だと思います。
評価:100
個性的で世界レベルの異次元ワールド
古典の傑作ですが、ちゃんと全部を通して一気に読んだのは
今回が初めてです。

とにかく、質の高さに驚嘆し、満足できる点がたくさんあります。
これは、小説では決して表現できない、楳図的映画ですね。

まず、独創的な、ストーリー。独創的な楳図先生という才能に
よる構図とコミック。そして、設定は子供でありながら、設定が異次元
ホラーであるにもいかかわらず、人間ドラマという骨太なテーマ
になっていること。さらに、さらに、公害、環境汚染、男女の恋愛、
サバイバル、人間が生きるということ、子供の醜さ、オトナの
だらしなさ。

加えて、通常次元の母親と翔の、次元を超えた会話という、驚嘆すべき
SFツールの登場・・もう、すごさにあっけにとられ、読み終える
のも惜しいくらいです。

ラストがちょっとモノ足りませんが、楳図先生の、中期の傑作に
して、日本マンガ文化の一つの到達点です。
評価:100
描かれたのは母と子の固い絆
過酷な授業が始まる
これから子供たちが学ぶことはあまりにも濃い内容だ

母はそれでも子が生きてほしいと願い、子は生きることを誓う

漂流教室は「生きる」という授業だ
評価:100
とにかくグロい。でも芯がある。
私が小学生の頃、はるか前のことですが、たまたまこの本の数ページを読み(小学生が惨死してました)
あまりの気持ち悪さに、それ以来読もうなどとは思ってませんでした。
時が経ち、ホラーものにも心が動じなくなった最近になって読み返してみました。

読み終えた感想は、いやーもう、これは良い意味でスゴイです。
異界に取り込まれた子供達に様々な障壁が立ちはだかります。
それは、大人のエゴであったり、いじめであったり、内部抗争であったり、
病気であったり、自然災害、エイリアン、果てはモンスターまで出てきます。
この漫画では場面ごとに必ず犠牲者が出てきます。この辺の描写が直接的であり、
楳図氏の画風も合わさってかなりグロいので、読み切るには心の準備が必要です。

しかしこの作品の奥深いところは大局的に一貫したテーマにあると思います。
最初は予期せぬ事態に混乱しパニックに陥る一同。
さらに自分だけ生き残ろうとするエゴ、裏切りの恐怖に疑心暗鬼になる生徒達。
次々と形を変えて襲いかかる様々な外敵。次第に減っていく仲間達。
しかし、極限の中で次第に団結・統率・信頼を深め合っていく小学生達。
誰の手も借りず、道を切り開き、成長していく子供達には適応し生き延びようとする底知れない力強さを感じます。
敢えて小学生にこんな事をさせた楳図氏の発想には驚かされます。
肝心の最後のオチも期待を裏切るものではなかったです。
考えつかない設定、先の読めない展開、全体の構図、今でも十分に読み応えある漫画です。
グロさに免疫のある人は読んで後悔しないと思います。

でも小中学生には読ませない方がいいかも知れません(絵がトラウマになります)。
登場人物は小学生ですが、大人向けの漫画です。


おろち 1 (1)おろち 1 (1)
(楳図 かずお) ビッグコミックス / 小学館
総合おすすめ度:91
評価:100
カバーをとって
おろちは装丁ちがいでチグハグに所持しているが
このシリーズは判型が大きいけど軽いし、カバーを取ったあとの表紙が特にすごくカッコイイ。
巻をおうごとに良くなる。4巻の表紙はポップアートのようだ。
評価:100
女のこわさ・・・
「姉妹」を読むにつけ、女のこわさが身にしみます。おろちの漫画はどれもどんでん返しがたまらないのですが、おろち1ではこの「姉妹」が見事な裏切りを見せてくれます!!!ぜったい読むべき。
評価:100
楳図かずおの代表作
『おろち』が秋田文庫で発売されていたことは知ってましたが、入手困難なのと文庫で絵が小さかったこともあって、長らく購入していませんでした。これに限らず、楳図先生の漫画は描きこみが細かいので文庫で線が潰れてしまいそうなのが難点です。

しかし、このたび楳図perfectionとして見事に豪華な装丁で復刊されました。正月にこのことを知った僕は、急いで本屋に行って四冊まとめて購入しました。少しも惜しくなどない!です。

内容は素晴らしいの一言です。『姉妹』では美しいままでありたく、また、そのために強烈なエゴイズムを抱える女姉妹の心理が今のどんな漫画よりも深く描かれており、その、特に終盤に集中した怒涛の展開には驚かされます。なんだかんだ言って一番『おろち』らしい話なのではないでしょうか。
『骨』は夫を失った、不幸な境遇で育った妻と、おろちの力により復活を遂げた夫の話です。「なぜここでこんな行動するの?」といったんは思わされる登場人物の言動は、少し本を持つ手を止めてじっくり考えてみると「しかしこれが人間の心理なのかもなぁ」とため息をつかされたりします。
特異な力を持っているおろちは、人間を不幸にするわけでもなく、むしろ激情にかられる人を制止するなど真っ当な存在に見えます。たまに「なんでこんなおせっかいを……」と思わされたりもしますが、そこはご愛嬌。かえって作中に登場する人物の方が一層残酷に、しかし時にはやさしく映ることでしょう。

映画化も決定している(別物として楽しむことは百戦錬磨の楳図ファンの間では暗黙の了解かと思いますが……)ので、とにかく唸らせるような漫画を読みたい方にオススメです。
楳図作品の入門として読むならこれか『漂流教室』かと思います。

しかしこれ、少年サンデー連載だったんだよな…うん。
評価:80
妖艶かつ冷静
おろち第1巻は「姉妹」(約90ページ)と「骨」(約200ページ)の2本立て。
どこからともなく現れる美少女おろち。
彼女は、妖艶でいて冷静、さらに不可思議な力をもつ。
「姉妹」は、姉妹間の嫉妬、計略など、これでもかというほどエグい人間のエゴイズムが浮き彫りにされます。
一方、「骨」は救いようのない怪奇性、残酷さが描き出されます。
なお、巻末にCHAGE&ASKAのASKAによる「私のUMEZZ体験」と題した寄稿あり。これはCHAGE&ASKAファンにとっては垂涎モノ
評価:80
巷の文学よりも文学してる漫画!!
1969年から70年にかけて少年サンデー(!!)にて連載され、その後に加筆・改稿され71年に初単行本化。
この作品は何度も姿を変えて単行本になっていたがどれも絶版で、長らく新刊書店からは姿を消していたが、
今回『UMEZZ PERFECTION!シリーズ』にて待望の復刊!!
全9話を4巻に分けて刊行。これまでのどの単行本よりも大きいサイズで読めるのが嬉しい。

チラシなどの宣伝文句に「完全版にして決定版」とあるが、扉絵やカラー扉絵、予告カットなど全てが収録されている訳ではないので、
完全版というにはいささか不満が残る。
だが、この単行本で初めて見た扉絵やカラー扉絵(表紙や口絵に使用)があるので、それだけでも貴重と言えば貴重なのだが。
今回、初めて連載順に収録されているので、そこが完全版か?

カバーは楳図先生のイラストを加工することなく使い、楳図先生の魅力が最大限に生かされていて好感が持てる。
中身の紙の色も話によって変えていて、なかなか凝ってます。
だが紙の質によってはインクとその紙の相性が悪いのか、楳図先生ならではの「描き込んだ線描」がカスレてしまっていて、
その点が残念なのでこの★の数です。

『おろち』というのは女の子の名前で、その役割はドラマ「家政婦は見た」の市原悦子という感じでしょうか(笑)
恐怖漫画というよりは心理漫画と言った方がシックリと来ます。
1話完結なのでどの巻から読んでも楽しめますが、姉妹がキーワードになっている第1話「姉妹」と第9話「血」は、
それぞれ最初と最後に読むことをオススメします。

とても少年誌に連載されていたとは思えないほどに重厚な作品群!
喜怒哀楽…そんな人間の業を原稿用紙に吸い取ってしまった楳図先生の筆力に脱帽です。






神の左手悪魔の右手 (1)神の左手悪魔の右手 (1)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:76
評価:40
ウエ…
初期のころの赤ん坊少女と黒い猫面を母にすすめられよんで楳図漫画がすきになったんですがこれはだめ。初期作品のように怖くないわりに気持ち悪いし、絵も昔のほうがずっとすきでした。とにかく気持ち悪くてグロテスクなので苦手なかたはやめたほうがいいです。
評価:100
楳図かずおしか描けない、世界で唯一のお化け屋敷
『錆びたハサミ』の衝撃のオープニング。
さらに、『影亡者』にいたっては、エイリアンと悪夢とハリウッド
ホラーと「うしろの百太郎」と、とにかく、怖いのと
不気味なのを、ぜーんぶ足したくらいの、楳図先生という、
超個性の集大成です。

山の辺泉、想姉弟が体験する、恐怖とスプラッターの
局地。もう、漫画ではないですね。
ハリウッドの恐怖映画をも超えた、イマジネーションと
想像力、独特の個性の局地なんです。

特に、独特のコマ割と、残虐アップの連続は、ためられません。
マンガの格好をした、いわば、「これでもか」のお化け屋敷
ツアー体験です。
評価:20
ユリイカに騙されて読んでみたが…。
 作者のストリーテラーとしての才能の無さが解かっただけの浅はかな作品。ストーリーが薄っぺらな分、グロテスクに依存しているだけですね。「ユリイカ」でさんざん褒め称えていたが、とんだゾッキ本。彼には、黒ミサ、交霊術、陰陽道、往生要集などの、知識がほとんど無いらしく、ただ「ワー」「ギャー」しか、読み取れませんでした。
 魔王ダンテの永井豪の足元にも及ばないな。悪いが。
「エコエコアザクラ」の古賀新一にも、及ばない。
「ユリイカ」とんだ食わせ物だ。と言う事です。
評価:100
完璧な世界
「神の左手悪魔の右手」は、「わたしは真悟」「14歳」という巨大な問題作にはさまれた時期に世に出たせいか、意外に話題になることが少ないようですが、むしろ私には楳図かずお氏の最も完成された、完璧な世界がここに確立されていると思います。

楳図氏がこれまでのコミック作家人生で描き続けてきた、恐怖・怪奇・幻想あるいは諧謔の物語が、この作品において見事に融合し、集大成されたと言ってよいでしょう。「真悟」や「14歳」は大変な問題作で、強い感動とともに、そのバロック的混沌や狂乱が作者自身の苦渋ともなって読者(筆者)に襲いかかってくるような息苦しさが少しあるように思えます。

そこへいくと「神の左手ー」は氏得意の短編連作の形式(「おろち」、「イアラ」など。私見によれば「漂流教室」もこの形式の応用)を採り、ホラーとファンタジーを存分に描き上げているといってよいでしょう。
楳図氏は「14歳」を最後として沈黙していますが、「神の左手ー」は彼にとって極めて幸福な作品だったのではないでしょうか?

評価:100
グロい
1ページ目からグロ過ぎ。読んでいて気持ち悪くなるほどでした。
でもそーゆーのを期待してたんで、この本はまさに期待以上の内容でした。
ホラー好きにはたまらないと思います…


へび女へび女
(楳図 かずお) ビッグコミックス / 小学館
総合おすすめ度:98
評価:100
小学生だった母が泣きながら読んだ漫画
連載当時、12歳だった(現在50過ぎ)母が怖くて怖くてでも読んでしまったという漫画。子供の頃からいい歳になった今まで漫画が大好きでいろんな漫画を読んだ娘の私と違い母は漫画は小学生の時しか読んでおらず40年たった今でもこの作品を忘れられないという母の為に購入しました。とにかくリアルに怖いです。普通の日常からなるホラーなだけに小学生にはたまらなかったのでしょうね…。
評価:100
期待以上
ウメズパーフェクションの中では大分後期に手に入れた。
装丁が一見普通だったのだ、しかし、やはり手に入れて良かった。


子どもの頃、恐怖と言えば蛇女は既に定番キャラだったが
その道を切り開いてきたのが何を隠そう楳図先生であった。
それを再確認し、見つめなおす1冊!
評価:80
生卵を丸呑みする「ママ」
「ママがこわい」、「まだらの少女」、「へび少女」の3部作。
「ママがこわい」では、「ママ」が生卵を丸呑みする箇所が実に生々しく印象的。
全編を通じて「へび」が怖いことが前提となっているため、へびを好きな人にとっては何てことないのかも知れません。
「へび少女」に登場する少女サツキは、探究心が旺盛でへび屋敷に入り込んでしまうが、この辺りの勇猛果敢さや正義感の強さは、「おろち」に重なるものを感じます。
3作目の「へび少女」を読み終わると、また1作目から読み返してしまう輪廻構造になっています
評価:100
少女雑誌なので読めなかった・・・
 当時少女雑誌を男の子が読むという行為はおおっぴらに出来ることではありませんでした。その逆もしかり。
 全国的にそうだったかどうかは定かではありませんが、少なくとも私が育ったところではそういう雰囲気だったので、兄弟に女の子がいるやつから話は聞いていましたが、ここに収録されたマンガは後に単行本になってから読みました。
 
 男の子は大半が「半魚人」で楳図かずお先生に初めて遭遇したのだと思います。

 で、「へび女」ですが一言「名作ばかり」です。
 自分の母がそうなるのじゃないかという想像は決してしませんでしたが、気に入らない同級生がこんな目に遭えばよいのに、なんて願ったりしました。なんちゃって。

  そういえばこの後、楳図かずお先生の亜流がいっぱい出てきましたね。特に少女雑誌は恐怖マンガの連載が必須になっていた時期がありました。「猿少女」「トカゲ少女」なんていうのを覚えていますが、オリジナルにはほど遠い内容でした。

 そう、その頃には妹がいるやつの家に遊びに行ってはこっそり読ませてもらっておりました。(笑)

 

評価:100
ホラー漫画の原点にして最高峰・楳図かずお
泣く子も黙るか更に泣きわめく、ホラー漫画の大御所
楳図かずおの作品集。

楳図の名前が知れ渡るきっかけとなった、少女漫画時代の
代表作「へび少女」をはじめ、『ママがこわい』『まだら
の少女』などを収録している。

寝苦しい夏の夜をきっと涼しくしてくれるはずです。

「漂流教室」や「わたしは真吾」等、長編が有名な氏ですが、
短編の名手でもあることを堪能できます。



14歳 (1)14歳 (1)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
普遍の真理
  楳図 かずおはホラー作家のイメージが強かったのですが、これはホラーではありません。
 普遍の真理を描いたSF超大作です。
 今読んでも全く古さを感じさせません。
 普遍の真理は古くなることはありませんから、この漫画も数十年たっても古さを感じさせないでしょう。
 そして、読んでいると、「あの作品って」「あの映画って」・・
と『14歳』の影響を受けている作品を、いくつか思いつきました。
 多大な影響力を持つ『14歳』。
 楳図 かずおの傑作大作です。

評価:100
想像力と創造力の限界を突き抜けた、壮大な「おもちゃ箱」
以前から楳図せんせいは尊敬していましたし、作品も好きです。

恐怖マンガ、ギャグマンガ家の大家としての楳図せんせい、という
イメージでしたが、この超長大な大河ドラマを読み終えて、感動以上の
気持ちに浸りました。

こんな作品、マンガ(劇画)は、世界での唯一の、壮大な
イマジネーションの「おもちゃ箱」ではないでしょうか?
多分、誰にも描けない世界を完全に描ききったといえる、大作です。

ストーリーが破綻?つじつまが合わない?構図がヘタ?
漂流教室以上じゃない?やっぱり子供しか描けない?

そんなことは、この『14歳』では、どうでもいいことです。

どのページのコマ割りも圧倒的で、映画でも無理だろうと
思うほどの筆致で、観るモノの心と体に迫ってきます。

また、遠大で残虐で壮大なテーマを、誰にもまねすることの
できない描き方、ガジェット、展開で、描ききりました。

冒頭の占い、チキン・ジョージ誕生から、最後の壮大な
人類の未来、宇宙の未来の展開、顛末になるとは、読者も想像でき
なかったと思います。

全巻読み終えると、長い永い苦難と恐怖の人類の旅に、自分も一緒に
仲間になって同行し、ついに完結した、そんな充実感、満足感を
得ることができる、超お奨めの大河ドラマです。
評価:100
楳図先生お疲れ様でした。
先生の熱心なファンではないが、馴染みのあった80年以前の作品群をここ数年で読んできた。それぞれ面白かったが、喰い足りない部分がなかったわけではない。話の整合性を優先する事で、作者の内面にある混沌が存分に開放されてないのでは・・・おぼろげながらそういう歯がゆさを感じたのだ。そこでノーマークであったスピリッツ連載の後期の作品に手を出し始めた。世間一般には「真悟」の評判が良く自分も好きだが、楳図ワールドを胸糞悪くなるまで堪能させてくれたのはこの「14歳」だった。
トータルにみると成功した作品とは言い難い。ラストが惜しい。予定通りのプロットだったのかもしれないが、文庫版で言うところの最終13巻の展開には不満が残る。また、ご都合主義的展開のオンパレードである。細部のつじつまはあってないし、蒔いた種は刈り取られない。
だが、自分にはそんな事はどうでも良かった。作者は細部に囚われず己の持てる全てをこの作品に叩きつけようとしたのだ。冒頭の展開から「読者は黙ってジェットコースターのベルトを締めやがれ」作者がそう要求していると自分は解釈した。ジェットコースターは道なき道を走る。車輪が外れ、車両は空中で3回転し、気がつけばまた平然とレール上を走っている。冗談でもあるし本気でもある。竹中直人の「笑いながら怒る人」を思い出したりもした、そういう狂った展開の連鎖である。しかし、全編を通じたテンションと有機的説得力が作品世界を破綻させず維持する。これだ、これだ。自分はまさにこういうのを読みたかった。これに出会えて良かった、そういうお話でした。
評価:100
楳図ワールド全快!!
まさに笑いと恐怖のまんがですね^^ホントに笑えるんですけど、真剣に考えさせられました。おすすめです。
評価:100
圧倒的な展開です
「14歳」というタイトルにこめられた意味をさぐりながら読んでいました。しかし、序盤に展開されるストーリーは、14歳の意味をまったく示さず、ただただ奇妙で不気味な話にすぎませんでした。しかし、中盤(文庫本で3\x{ff5e}4巻くらい)に入ると、とたんにいろんなものが一つにつなげられたような感じを受け、そこから最終巻まで、ほとんどノンストップで読んでしまいました。笑いだけではすまされない深刻な話で、今起こりつつあるイラクvsアメリカ問題すらも考えさせられるような、スケールの大きい話です。ちなみに、チキン・ジョージは、吉祥寺のパロディだと私は考えていますが、正しいでしょうか?


赤んぼう少女―楳図かずお作品集赤んぼう少女―楳図かずお作品集
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:80
評価:100
いまになって読むと…
 初めてこの作品を読んだのは、小学生の時でしたが、恐くて夜も眠れない程でした。当時は絵の怖さばかりに目がいってしまい、内容を疎かにしていました。そして、今読み返してみると…タマミちゃん、とてもかわいそうです。特に口紅を塗ってみて、鑑を見ながら、似合わない、かわいくない自分に対して涙ぐんでる所なんかは、こちらも泣きそうでした。外見がみにくく、世間からはじかれ、その結果精神が歪んで行く、という肯定は、現代社会においても山のようにある事です。最後に、バチがあたるという事で死んでしまいます。作者はこの作品を通じ、他人にはやさしくしなくちゃだめだよ、いじわるすると、こうなるよ、という事を言いたかったのでしょう。しかし、漫画的要素(キバがある、手が醜い、成長がとまる)が無ければ、こういう事実は、日常十分にありうることだな、と思いました。
評価:80
1960年代作品とは思えない、イマジネーションと映画的な描写力
この名作選、やっと入手できました。

赤ん坊少女=タマミちゃんは、思ったより
怖いキャラではなく、どっちかって言えば、こんな姿で生まれて
かわいそうです。醜い者が、美しい者を徹底的にいぢめる、と
いう、ある種のねじれたカタルシスを得られて、おもしろい作品。

『赤ん坊少女』では、田舎に行ったあたり、バッグの中に忍び込んで・・
あたりから、ちょっと話がだれてきましたが、ギロチンみたいな
台が出てきたあたり、楳図先生、こういう仕掛け研究してたんだな、
という妙な感心をしたりして読んでいました。

『黒いねこ面』は、本文庫の多くのページをさいている中編で、
時代劇の化け猫屋敷ものが、後半、時を経て現代の復讐劇に
展開する、という、当時の少女漫画のレベルを凌ぐ、壮大な劇画
になっていて、私のお気に入りです。壁に塗り込められた多数の・・
という発想もすごいけど、コマ割や表現、描写が、今どきの
ハリウッドB級ホラー映画もかくありなん、と思えるほど、その先進性
先見性は、驚異的なものがあり、楳図先生の天才にびっくりします。

貴重な1冊で手元にいつまでもおいて、また時々読み返したい
作品です。
評価:80
現代に息づく化け猫騒動
佐賀鍋島藩の化猫騒動に着想を得たと思われる「黒いねこ面」。多くの著者が物語化しているが、楳図版では黒猫を介して数百年後の現代で復讐を企てる。妻が当時のあらすじを覚えていたのですが、タイトルが分からずに探していて、ようやく見つかりました。
その他、得体の知れない不気味さと哀しさが漂う「赤んぼう少女」、最後の最後にどんでん返しが待ち構えている「怪談」と併せて全3作を収録。
評価:80
おどろくべきキャラクター
「赤んぼう少女」は短編であるが、楳図かずおの極めてユニークな作品の一つである。悪のヒロイン、タマミは天才楳図かずおにしか描けなかった驚異のキャラクターだ。

赤ちゃんという普通は可愛らしさの同義語である存在をもって、このような恐ろしいグロテスクな怪物に描きあげたところが、なんとも凄い。それでいながら、このタマミにはある種奇妙な可愛らしさやユーモラスなところもないことはないのだ。このあたりに作者がずっとこだわり続けることになる、子供についての直観や見識をうかがうことができる。

全体のストーリーは薄幸な生い立ちの美少女が遭遇する恐怖の体験という昔ながらの少々陳腐な内容だが、対する怪物タマミの存在によって不朽の作品になったように思う。惜しむらくはタマミがこれ一作で消えてしまったことだ(実は「恐怖」シリーズ中の一篇で唯一コマ、タマミがでてくる。どの作品なのかは探してのお楽しみ^^)。

他の収録作では「黒いねこ面」が充実している。初期の丸い描線による作品だが、伝統的な化け猫話しをモチーフとしながら、楳図ならではの怪奇と幻想の世界を描き出している。

評価:60
美醜の感覚
見当違いの意見かも知れませんが、楳図かずおの描く女性主人公に関する、ひとつの特筆すべき大きな特徴は、その美醜が、主人公や周辺に与える大きな影響・動機・原動力になっていて、それは、本編のことだけでは勿論なく、見過ごせない気がします。再三再四あらわれ感じられる、というかテーマの中心にあるのです。
少々、不思議でさえあります。
なので実は「赤ん坊少女」にかすかな同情を禁じえない気分にもなります。
この怖さは…幸せでありたいと願いながら、とうていそんなふうには行きそうにも無い、不合理で理不尽な状況を、こんな具合に表現したのか、などと、考えてしまったり、深読みしてしまいます、ねえ。


おろち 2 (2)おろち 2 (2)
(楳図 かずお) ビッグコミックス / 小学館
総合おすすめ度:97
評価:100
なぜ???とハラハラが同居するおろち(2)
「秀才」は、読み進めるあいだは「なぜ?なぜ?なぜこういう展開になるの?」と不可解な?がたくさん出てきますが、最後は見事なおち(といっていいのでしょうか?)がついています。また「カギ」はハラハラドキドキの気分と、最後には社会派っぽく「世の中って・・・」という妙に高い位置からの感慨が味わえると思います。いずれにしてもはずれなし。
評価:100
秀作の群れ
 二巻では『秀才』『ふるさと』『カギ』の三つを収録。個人的にはいちばん読み応えのある巻です。

 『秀才』はある日、凶暴な目つきの男が幸福な生活を営んでいた夫婦の家に侵入することからはじまる哀しみの物語。何の変哲もない夫婦二人とその子供の運命は、その日から静かに、そして確かに狂い始める。僕が『おろち』の中で一番好きなのはこの話です。
 『ふるさと』は純朴ゆえに挫折を経験し、社会の底の底まで落ちることになった、若き日に希望に燃えて故郷を離れた青年の話。ある日、ささいな争いから重傷を負い、病室で昏睡状態となった彼の魂は、ひとり故郷へ向かって飛んでいく。心理小説のような展開と描写は圧巻です!
 『カギ』は近所の人々に「うそつき」とあだ名される、イタズラとうそが好きな少年の受難の話。狼少年にヒントを得たのであろう物語の筋、息もつかせぬ怒涛の展開に興奮すること間違いなし。

 一巻で話の主軸となる人物がすべて女性となっていることに対し、二巻ではすべて男性となってます(いま思うと三巻もですね。そして四巻では再びすべて女性)。そういうことなども考えながら読み返すと、また一味違って楽しめるのじゃないかと思います。
二巻はそれぞれの物語の頁数もあまり変わらないので、『おろち』の中でも特に読みやすいかと思います。量もほどほどで、良質な物語をたくさん読みたい、という人はとにかく読んでみてください。
評価:80
些細なエゴイズムの延長線上にあるもの
第2巻は、「秀才」、「ふるさと」、「カギ」の3本立て。
「秀才」は、子供が生まれ、幸せの絶頂にある家庭を突然の不幸が襲い、それ以来、すべてが一変してしまう。当時は、受験戦争、教育ママの走りでもあった。
「ふるさと」では、ある男の望郷の想いが、「おろち」をも巻き込んでしまう。御神体の光る石を触ると、村人たちに何が起こるのか。
両親が共働きの家庭の子に注目する「カギ」は、当時の「かぎっ子」が下敷きにあるのだろうか。うそつきの子が、うそをつき通すとどうなるか。痛い目にあったうそつきは改心するのか。
人間のエゴイズムや保身をこれでもか、というほど見せつけられます。
日常生活でも小さなエゴは、よく見かけますよね。
それらの延長線上を描き出しているのだと思います。
おろちの正義感に満ちた表情がとても印象的です
評価:100
セーラー服おろち☆☆来年には映画化も。
不思議な力をもち人の人生をのぞく美少女“おろち”の総集編の二冊目。
今回もおろちは不思議な力を使い、たまに余計な事をしながら他人の人生を覗く。
なかでも“うそつき”はハラハラしておすすめである。
とりあえず素晴らしい漫画なので買いです。


猫目小僧 1 (1)猫目小僧 1 (1)
(楳図 かずお) ビッグコミックス / 小学館
総合おすすめ度:90
評価:100
かわいい。カッコイイ。
びっくりするほど凝った装丁。カバーの裏や、折り返し部分など、どこをとってもかわいい。
余計な文字がなくてイラストを楽しめるよう最大限の配慮がされている。
評価:60
画がオリジナルより劣っています
私の持っているオリジナルの少年画報社刊のコミックスと比べてみました。子供の頃、少年キングに連載していたこのマンガに夢中で切り取って保管していました。その後コミックスが出ているのを知り、子供には高価なものでしたが、あわてて本屋さんを探しまくったのも良い思い出です。何故か1巻の入手が難しかったのが強く印象に残っています。で、比較の結果。残念ながら細かい線がつぶれていたり、どこか線にシャープさがなかったり、画のクオリティがけっこう劣ります。カラー画のボケ方もヒドイですね。オリジナルと比べると目もあてられません。ただ、オリジナルにあったベタ塗り忘れなどが、この本ではしっかり塗られていました。(笑) このような傑作はおおぜいの人が簡単に入手出来る方がよいに決まってるので、このような形で出版されてウレシイです。初めて収められた扉画もよかった。大勢の方に読んでいただきたい!でも、やっぱり、画が悪いのは致命的です。
評価:100
素敵なブックデザイン
私は半分装丁目当てで購入したのですが、期待を裏切らない格好良さです。
画像では分かりませんが表紙はエンボス加工がしてあり、所々ボコボコしてます。初期と中期の作品で使われている紙が違って、初期の方が黄ばんだ古めかしい感じの紙です。
細部までこだわり尽くされたかっこいいブックデザインなので是非一度手にとって見てください。かなりうっとりできます。
内容の方ももちろん良かったです!
評価:100
カワカッコイイ猫目君が大活躍の楳図版妖怪漫画
楳図かずお漫画の中で1位2位を争う人気キャラクター猫目小僧が行く先々で遭遇する恐ろしい出来事の数々。
ついに 『UMEZZ PERFECTION!シリーズ』第6弾として猫目君が復活(復刊)しました。 感涙。

他の楳図恐怖漫画とは一線を画した作品で、きまぐれな猫目君のキャラ故か、怖い中にもどこかユーモラスな部分を感じる作品。
スプラッタ的な作品ではないので、そういう漫画が苦手な方でも十分に読み耐えられると思います。
【初期】1967〜68年・少年画報連載、【中期】1968年・少年キング連載、【後期】1976年・少年サンデー連載・・・と、
掲載誌が変わる毎に絵柄も作品の雰囲気も変貌していきますが、オススメは寓話的雰囲気を持つ中期。
後期になると活躍が少なくなる猫目君ですが、この中期では大活躍でカッチョイイです!
その頃ブームになっていた妖怪物を取り入れた本作だが、楳図先生が描き出す妖怪達はイマジネーション爆発でやっぱり強烈〜!

全11話を2巻に分けて刊行。
今回、それまで朝日ソノラマ刊のワイド版にしか収録されていなかった猫目小僧の現時点での最終話、「約束」も収録。
そしてこの「約束」は、この単行本に収録にあたり、なんと!楳図先生が冒頭とエンディングに新たに描き下ろしをされています!
その他に、これまで発行されていた猫目の諸単行本にはなかった扉絵や予告カット、カラーページ等、
まさにPERFECTIONの名に恥じない超オススメな新編単行本です。
読んだことのない方はもちろん、既発の猫目コミックスを持ってる方もぜひ手に取って、カバーの裏など隅々まで見てみて下さい。


わたしは真悟 (Volume7)わたしは真悟 (Volume7)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
これはもう漫画アート
今まで読んだ楳図作品の中で一番抽象的な作品。
どう考えてもありえないストーリーを生み出す創造力は凄まじい。
この作品はホントに凄い!としか言い様がない。
この作品は非常に切ない。
子供から大人になる切なさに似てる様な気がしないでもない。

この作品は漫画なのに長篇小説並の読みごたえはある。

評価:100
「333のテッペンカラトビウツレ。」
連載当初はまだ人気が出ていなかったビックコミックスピリッツに連載するという不利な立場だったものの、今では「漂流教室」に並ぶ傑作と言われているこの「わたしは真悟」。私にとってこの漫画は「漂流教室」を遙かに上回る傑作だと思っています。ロボットというSFに近い世界に見せながら実は小学生という純粋な子供のラブストーリーです。子供の強さに胸を打たれます。ホラーもないのに手が震えてきます。本当に素晴らしい漫画です。
評価:100
稀有な作品
異形の愛の話。
機械が意思を持ったことによる、もどかしくも切ない愛が
読者の心に響きます。
他の要素も多数あり、読みながらもいろいろ考えさせられます。
理屈では語りきれない部分もありますが、きっと忘れられない
1冊となるでしょう。
評価:100
大好き。
この作品は感想を書くのが難しい。
それほど、独創的過ぎる話です。

希望と絶望、恐怖と愛、美と醜が入り混じったかなり深い、一大絵巻。
ことの始まりから結末まで、登場人物たちは、少しずついろんなものを失いながら、たんたんと時を重ねる。
そして、最後に残るものは……。

ラストの衝撃を多くの方に味わって欲しいです。



洗礼 (1)洗礼 (1)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:90
評価:80
男の母親のお話
ほとんどのストーリーは覚えていませんでしたが
後世に残る強烈なシーンやつづく!の文字のはいった最終ページがたくさんあって
週刊漫画のやるせなさを思い出しました
足の裏の麻酔針、頭蓋骨穴あけ、逆さ巾着にアイロン、と脳にきざまれたコマがよみがえりました
必読の2巻めの最後は話半ばのクライマッックスで歌の歌詞のような台詞もまたなんとも怖いです
何でもありだった週コミの中では小学生も教師を誘惑するくらいでないと
お話にならなかったのではないでしょうか
過激な大人気作品群もまだ自分でも気づかない大人へのあこがれという言葉で説明されてしました

主人公は上原さくらでも若草いずみでもなく谷川先生という男の母であり
和代は若妻であると考えると非常にわかりやすいお話です
何をしても許されるのです
妻と母の問題が理解ができない男性は必読ですが
その設定で少年誌に発表をしたらどんな結果だったのかと思います
恐怖漫画とは宣伝できません
息子を持った母というのはこういうものであると納得することができない人は
少女漫画を理解できません
9歳の少女がお風呂で男の体を洗いたがったり寝床にさそったりというのは幻想です
それはあなたの母親なのです
女性については、美しくない女、仕事を持った女、結婚できない女、幼い女、大人びた若い女、平凡な女、とたくさんのタイプが少しは心情をさっすることができるような登場人物となっていて破天荒な行いにも
多少は理由があるかもと感じさせて大変よくできていると思います

作者が一分野での代表的な存在であり、たいへんな実力で少年青年層のファンも獲得したからこそ
少女向け作品もどうどうと識者からの高い評価を得られたことをすばらしく思います
幼い頃の母的なもの、大人の女への覚めた目線、恐怖感嫌悪感をおぼえているからこそ
描けた作品ではと思います
これは蛇シリーズにもいえることではないでしょうか
評価:100
楳図作品では、ストーリー完成度超高し・・物語面では最高傑作か?
この4巻ものは、ドンデンガエシの結末。予想してませんでしたねえ。
すっかりだまされました。

大河ドラマ的長大な物語もありますが、
ストーリーの質の高さ、完成度、意外性、仕掛けの巧妙さ、
という面では、(もちろん、楳図作品を全部読んだわけでは
ないですが)今までワタシが読んだ作品の中では、お話としては、
最高傑作かもしれませんね。

生理的な怖さ、心理的な嫌悪感、永遠の生命、永遠の若さ、子供の
残虐性と幼児性というヤヌス性、SM趣味、フランケンシュタイン
症候群?・・楳図作品のたくさんのテーマとガジェットをこれでもか
というほど詰め込んだ割には、お話の破綻が少なく、読み応えのある
コンパクトな作品(それでも4巻ですが)に仕上がっていて、
好きですね、こういうの。
評価:100
楳図 かずお 最高傑作!…ある意味では。
 週刊少女コミックでうっかり読んじゃった当時の女の子は、さぞやトラウマになったことでしょうね。ストーリーはあんまりバラせない作品ですが…。主人公さくら。美少女ですが、いろいろヤバすぎます…。さくらのママ、いずみは元大女優。顔に醜い痣ができ引退、ひっそりさくらを産み、ひとりで育てました。…この母にして娘ありなのか?かなりアッパー系なお方です。楳図マンガには「ママが怖い」話がいっぱいありますが、文句なく\x{2116}1です。「漂流教室」の主人公のママを100人分濃縮しても足らぬド迫力!…。しかし、さくらの学校の先生と奥さん、お気の毒です…。(特に奥さんが…)一度めは恐怖を。二度めは、さくらやママ他多数の人達に「そりゃちゃうやろ!」とつっこみ入れつつお笑いを。一粒で二度美味しい、お得なマンガです。
評価:80
サイコ系親子モノ。
 著者お得意の、美醜がテーマである。文庫版で読むひとは、1巻の巻末解説を、全巻読み終えるまで見てはダメよ!!ネタを割っているからね。とにかくラストがすごいんだから、先に知っては勿体無い。ヒントは、死人があまり出ないところにあり。


完全復刻版「森の兄妹」「底のない町」完全復刻版「森の兄妹」「底のない町」
(楳図 かずお) その他 / 楳図かずお
総合おすすめ度:90
評価:80
完全復刻『保存』版ですね
楳図先生の天才を堪能できるだけでなく、商品としてもなかなか立派で良かったです。
これらの作品をきちんとしたカタチで世に留めておきたい、という心意気を感じて好感が持てます。
ただ、できれば外側のケースをもうちょっとだけ…保存版らしくして欲しかったです。
評価:80
書棚に飾るのにも雰囲気よい
今から半世紀前、14歳のときに描いたとは思えない。この出発点から『漂流教室』まで辿り着いた漫画家・楳津かずおを想像するだけで楽しい。レトロな装丁に引かれて手にとった友人が「え!?これ楳津かずおなの!?」と言うのも楽しい。
評価:100
でも買って良かったです。
 「ヘンゼルとグレーテル」をまた新しいかたちで読ませて頂きました。とっても楽しかったです。でも最初と最後のストーリーテラー風シーンは何故付け加えたのでしょう?これはいらなかったような気がしますけど、まあいいか。

 「底のない町」はミステリーですね。いきなり怪人が現れたりしてストレートかつシンプルに謎の世界へと引き込んでゆきます。読者に謎解きをさせていくタイプのストーリーは当時としてはよく考えられていると思います。

 全く蛇足ながら、私には主人公「岬一郎」が「少年探偵」には見えません。本をさかさま?にしてもダメでした!

 みなさんは如何かな?
 

 
評価:100
外箱が・・・・
復刻してくれた小学館さんありがとうございます。
手元に置けるのがうれしくてたまりません。

しかし、この外箱なんとかならなかったんでしょうか?



綾辻行人が選ぶ!楳図かずお怪奇幻想館綾辻行人が選ぶ!楳図かずお怪奇幻想館
(楳図 かずお/綾辻 行人) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:97
評価:80
ちょっとこれは、すごいな・・
「猫目小僧」だ、って喜んでいましたけど、この
不死身の男の話は、かなり、陰惨で、怖くて、ブキミです。
バラバラにされても、足だけ一人歩きとか、そのアイデアは、
今から数十年前とは思えないほど、先進的な怖さの発想ですよね。

『蠅』って幻想短編が収録されていましたが、最初は、この小説は、
編者のこれが楳図先生の綾辻氏のかと思いましたが、楳図先生の
書かれたものだと気がつきました(寝ぼけてますね)。

こんな短編も書かれるとは、その才能のは敬服します。

このアンソロジーは、綾辻氏のマニアックぶりを伺わせるほど、
密度の濃い作品ばかりの収録。「ダリの男」は秀逸。こんなマンガは
誰も描けないのではないかな。

2,3ページの作品もあって、全体的に恐怖というよりは、シュールで
幻想的、幻視的な作品も掲載されていて、バリエーションはグー
です。

今でも新鮮さ、斬新さ、おもしろさが通用するところが、天才の
なせるわざです。
評価:100
不気味で気持ち悪いが考えさせられる
作品は1967年から76年までの9年間のものがほとんどで、読み物の「蠅」が84年、最後に載っている「Rojin」が85年の作品である。30年以上前の楳図漫画が確立された漫画群で、どれにも主張がある。絵の不気味さに目が行きやすいが、話の展開の面白さも出色のできばえ。
評価:100
楳図ワールド全快!!
人間の心のえぐった、あっ、と驚かす
オチまんさいの作品集である。
手が痛くなる前なのか絵は細かく繊細である。
評価:100
これとてもお勧めです。
梅図かずお怪奇漫画の綾辻行人によるより抜き。ただ怖くて気持ち悪いだけでなく、ゆがんだ愛を純粋に表現しているところに泣けてくる。昔、子供の頃に読んだ時はわからなかったけれど、今読むと、奥の深いストーリーに感動。もっとほかの梅図作品を読んでみたくなる。


超!まことちゃん 3 (3)超!まことちゃん 3 (3)
(楳図 かずお) ビッグコミックス / 小学館
総合おすすめ度:48
評価:100
装丁は一寸、誤ったかな?
 さて、90年代に連載されていた物を改めて出版したものです。1巻までは装丁は良かった物の、2巻、3巻となると装丁が悪くなりました。途中で色刷りがあったりと読みにくいのですが、著者の描く繊細なタッチは読むことは出来ます。スクリーントーンをあまり使わない著者が書き上げた不朽の名作「まことちゃん」そのナンセンスなギャグは最高です。他の人は酷な批評ですが、小学館も奇をてらった感じは否めませんけど。それでも充分に楽しめる秀逸な作品に仕上がっていることは言うまでもありません。まこと、美香姉ちゃんの暴走ぶりや沢田家一家のぼけぶりは大笑いです。疲れたときに読むと良いですよ。けど、明るい場所で読みましょう。色刷り部分は暗いと読みにくいですから。
評価:20
内容は文句なく★★★★★です!!・・・けどね(涙)
ページをめくる毎にストレスを感じさせるのは装丁のせい?それとも私のカルシウム不足のせい?
・・・イライライライラ。
まさか3巻でも、こんなレビューを書くとは思わなかったといいます。

巷では、描かれた原稿をなるべくそのまま単行本化した「完全版」が流行っている&求められているというのに、
この3巻は2巻に続き、その世間の流れに一石を投じるかのような(笑)、手ェ加えまくりのコミックスになっています。
どんなに装丁が凝っていようが、個性的で目立とうが、そんなものは「読み物には全く必要なし」と再認識させられました。

扉絵は、原稿中心部をクローズアップ収録しているので、断ち切りが変(描かれている原稿の全体が掲載されていない)です。
『人は神ににせて〜』のト書き部分の写植も半分に切られてしまっています。
あまりにも違和感があったので、乱丁かと思ったのら〜!
これって小説で言えば、勝手に文章の一部分を削って収録してしまっているようなもので、作者へ失礼だと思うのですけど。
それに楳図先生の生原稿を見たことがある人なら、描かれた1ミリでも多くの部分を(忠実に)載せたいと思うのではないでしょうか?

色紙ページあり←(やっぱり読みにくい上に白黒絵の迫力減〜!)
シールページあり←(劣化が怖いから、陽のあたる所には置けません〜!)
なぜか最終話の見開きページは突然にフルカラー彩色がしてあり←(楳図先生が塗ったにしても嫌です〜!)
もぅやりたい放題ですね。
唯一良かった点は、絶版になっている新書版コミックスの表紙が巻頭に収録されている点。
けどやっぱり断ち切りが変なんですけどね(笑)

P.S.
『(昭和版)まことちゃん』の中で、もう一人のまことちゃんがもう一人のまことちゃんを見ているシーンがあるのですが、
平成版のラストをあの当時から考えていたとすると、楳図かずおって人は、やっぱり凄い人なんだな・・・と思わされます。
評価:20
装丁最悪
予想はしてたが・・・やっぱり2巻と同じようなムチャクチャな装丁。
まずカバー、一見、帯がついているように見えるがこれはカバーに
直接印刷されている。こういうアオリ文や他巻のお知らせは別パーツの
帯に載せるものだろ!わざと狙ってやっているのだろうがおもしろくないゾ!

巻頭に小学館版全4巻の表紙をカラーで再録しているのは良い。
さあ次から目次もなくいきなり本編が始まる。
まずほとんどのページが紙質の悪いザラ紙みたいなのに
各エピソードの途中であろうが関係なくインクの色が変わる。
草色、黒、茶、ピンク、という狂ったチョイス。
途中のページ、33〜48、147〜162、179〜194、211〜最後
は紙質の良い白紙だがつやコーティングのあるものと
ないものが見開きごとに交互にはいっている。インクも青や黒でランダム。
紙質が良いのにほとんど1色原稿ページだし。(カラーは最後の方の見開き2ページのみ)
他にも金色の紙が交互に入ってたり、81、82だけシールになっていて、
81は白ベースに茶インク、82は黄ベースに青インク、しかもこのシール部分だけ
他のページよりひとまわり紙が小さい。もちろんエピソードの途中だ・・・
そして215ページに突如目次が出現する。その後にも1エピソードある・・・

頭痛くなってくるよ・・・落丁、乱丁とかあっても誰にもわかるまい。
先生の作品は大きいサイズで単行本化してくれるのはイイことだが、
こんなのだったら、小学館文庫で普通に出してくれたほうがよっぽどありがたい!
普通に「まことちゃん」を読ましてくれと叫びたい。
白い紙に黒いインクで印刷してくれるだけでイイんだよ!


超!まことちゃん 2 (2)超!まことちゃん 2 (2)
(楳図 かずお) ビッグコミックス / 小学館
総合おすすめ度:48
評価:20
祖父江慎氏の自己主張が強すぎ
メチャさんが詳しく書いておられる様にひどい装丁です。第1巻は楽しく読みましたが、この第2巻は開いた瞬間目が回る、といった感じです。全部で10色以上のカラフルな紙。そのどれもがどぎつい色で全く内容に集中できません。特にショッキングピンクのページがひどい。パラパラとめくっただけにし、読むのは諦めました。1巻と同じレベルだとすると間違いなく内容は素晴らしいだけに残念です。著者がよくOKを出したものだと思います。ウメズファンならこの本はスルーすべきでしょうね。
評価:100
家宝!
一見カバーが地味だったので不安な気持ちで購入したが覆された。
紙の裁断面を見るとわかるが白ページだけでなく
交互に地色が刷ってある。電車の時刻表のようだ。
これは私は逆に読みやすいように思ったのだが...?
それに文庫本なんかのツルッとした紙が嫌いなので気に入った。
カバーデザインも実は狂っていた。奥が深い。
表紙なんてボール紙みたいなのだ。
それでいて本全体に考え抜かれた構築がされている。
「超!まことちゃん」の質の高い壊れっぷりにぴったりだと思う。
他のウメズパーフェクションにも共通して言えるのだが巻をおうごとに良くなる。

内容は、泣いた、背筋がぞっとした、家宝になった。
14歳につながる作品だから期待していた、裏切られなかった。
評価:20
「やりすぎ」な装丁にガッカリ。。。あの名作をこんな形にするなんて!
作品内容は文句なくオススメの★★★★★ですが、本の作りの残念さに↑の★の数です。
あの幻の作品がパーフェクションで手頃に読めるようになって喜んでいたのに、この第2巻の本の作りは如何なものか!?
2ページ毎に紙の色が変わり、その紙の色がピンクやら緑やら黄やら、目がチカチカして読みにくいったらこの上ない。
その使用している紙も1巻とは全然違い、週刊漫画誌の紙をちょっと良くした程度の軽い紙で、直ぐにダメになってしまそうな紙です。

楳図漫画は、印刷の黒と紙の白のコントラストの美しさも大事な筈ですし、
楳図先生も原稿を描かれる時に【黒】と【白】の配分は意識しておられると思うので、
それを色紙に印刷されてしまっては作品の雰囲気ブチ壊しです。
扉絵も部分部分(手だけとか、顔だけとか)にトーン処理のような、
グレーの強弱を勝手につけてアレンジしてしまっています。

特に不愉快に感じたのは壷にまつわるエピソードのクライマックス部分。
本来は見開きで描かれており、絵もド迫力があって一番読み応えがある大事なシーンでもあり、
このシーンが昭和版と平成版の作風が違うと感じる醍醐味ページの内の1つの筈!なのですが、
この単行本ではなぜか銀の紙に赤の印刷、そして3ツ折り込みページに収まらせてしまっています。
なんだかなー(涙)

この第2巻は、「平成版まことちゃん・装丁者リミックス本」という感じなので、
楳図先生の絵の魅力も、平成版まことちゃんの面白さも雰囲気も、
その凝った装丁故に半減させてしまっているので、「とりあえず読めればいい」という人だけにススメます。

超!名作を、こんな形にしてしまって悲しいのら〜!


わたしは真悟 (Volume1)わたしは真悟 (Volume1)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
ずっと本棚に居続ける本
一生持っていたい・読み続けたいと思う本は
そんなに沢山ない中で、
これは本当に一生手元において読み続けたい本です。
楳図かずおさんの作品の中で一番好きです。
最初に読んだ時の衝撃に加え、
さらに二度三度と読む度に新しく気づくことがあります。
神がかった絵(特に子供たちの顔のアップ)も
とても素晴しく、もう漫画とは思えません。
なんだか本当に浄化された神聖な顔してる・・・。
愛に向かって怒涛のスピードで駆け抜ける
こんな漫画を描くことの出来る人はやっぱり天才だと思います。
評価:100
“アイ”
成人一歩手前で読むことが出来てよかった(ギリギリセーフ?)もっともっとはやくに出会いたかった
わたしは真悟はおおきなおおきな愛で包まれている
楳図先生の描く世界は無限大でくらくらしてしまう、そして儚く尊い

大人ってなんなんだろう
子供ってなんだっけ
愛…?
成人してからも何度でも読み直したい
評価:100
お嫁入り道具のひとつに。
お嫁に行く時の荷物にしっかり入れました。
漫画だからとあなどることなかれ。
涙の感動超大作です。


恐怖 1 (1)恐怖 1 (1)
(楳図 かずお) ビッグコミックス / 小学館
総合おすすめ度:91
評価:100
静けさの中の狂気
一見美人なのにどこかゆがんだ顔、一見なにもないのに、よく見ると...。
静けさの中の狂気と恐怖をここまで装丁で表現している本はなかなか無いと思う。
評価:80
初期の楳図せんせいは、実に絵がうまかった?
後期の作品に比べると、1960年代の恐怖マンガでは、
楳図せんせいは、絵や構図が丁寧で、一見、うまい、という
気がしました。でも、逆に言えば、後期(『神の左手悪魔の右手』
や『14歳』など)作品では、映画のような大スクリーンを
思わせるような、コマ割りと、ダイナミックな構成に移行して
いっているのがよくわかります。

全2巻の本書は、「楳図恐怖マンガってこういうのだったよな」
という典型的な作品で、今でも、その個性的な構図、テーマ
を楽しむことができます。特に、少女マンガの雰囲気をたっぷりと
醸しだした世界は、今では数少なくなった名作です。
評価:100
恐怖のパイオニアを再確認できる珠玉の作品集
『UMEZZ PERFECTION!シリーズ』第5弾は、高校生記者エミ子と夏彦が遭遇する、さまざまな角度からの恐怖を描いた短編作品集。
全21話を2巻に分けて刊行。

1966年から70年にかけて「月刊平凡」にて連載された「高校生記者シリーズ」を『恐怖』と題して1971年に初単行本化。
雑誌掲載時にはページ数の都合からコマ割りや物語に詰め込み感があったが、ほとんどの話を単行本化の際に加筆・改稿。
ページ制約がなくなった分、物語が丁寧に語られていて、読者がより物語の中に自然に入っていけるように描き直されている。
雑誌に掲載されたものを【圧縮版】と言うなら、単行本は【解凍版】という感じでしょうか?
今回も先に発売されたPERFECTION!シリーズ『おろち』と同じく連載順に収録が並び直されているので、
初期のかわいらし絵柄のエミ子と夏彦から、だんだんとシリアスな絵柄に変っていく2人にも注目して下さい(笑)

今回、先に出ていた秋田書店発行の諸単行本(既にどれも絶版)には収録されておらず、
氏の単行本未収録作品集『妄想の花園』でしか読むことができなかったこのシリーズの第2話目にあたる「悪魔の24時間」が収録されており、
このUMEZZ PERFECTION!で初めて【高校生記者シリーズ・全話収録版】となっている点が嬉しい。
その代わりに、秋田版の単行本に収録されていた「灰色の待合室(高校生記者シリーズではない)」は割愛されているが、
これはまた別なUMEZZ PERFECTION!に収録されることを願おう。

さまざまな角度からの恐怖作品集。
巷にあふれている怖い映画やら漫画のテーマに、既に氏のこの作品集の中にその片鱗を見つけることができると思うと、
やっぱり楳図先生は恐怖のパイオニアなんだな!と再確認ができる珠玉の作品集です。


イアライアラ
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:88
評価:80
楳図かずおの、多次元世界
悠久の時間(とき)の流れと、変転の中で、永遠を
追い求める男女の愛と運命。

一昔前、手塚治虫や石森章太郎らが、こういう神の視点で
人間の悲しさ、せつなさ、命のはかなさを描いた時期がありました
が、この楳図作品を読んで、そんな時代を思い起こし、懐かしさを
覚えました。

イアラには、短編シリーズがあるようですので、続けて読みたいと
思います。楳図先生の、恐怖やスプラッターとは違う、別の世界をも
描ける方なんですね、ということを再認識させられる、読んでいて
没頭できる佳作です。
評価:80
永久の叫び
古代、悲恋の死を遂げたさなめ。死の直前、さなめの絶叫したイアラという言葉の意味を求めて、時空を超えさなめを追う男。交わることのない二人。そして、人類最後の時…。追憶の旅中、男が出会う偉人たちの思想、人間の生き様が作者ののたる絵によって色濃く描かれている。勝手な欲を言えば、もっと様々な時代における男のさなめ探しを見てみたかった。最後のシーンは同時代に作られた人類滅亡を描いた映画を思い出してしまったが、それだけ地球規模で地球環境問題や未来への不透明さが叫ばれた時代背景が反映された作品だと言えるのかもしれないと思った。
評価:100
時代を超えてつながることの心地よさ
 読んでいて手塚治の『火の鳥』が何度か頭をよぎった。読み終えてから『火の鳥』と同時期に描かれたと知って驚いた。これも何かのシンクロにシティ? 人と人、あるいは出来事と出来事がつながることに、私たちはある種の安心感を得ているのではないだろうか。それが時代を超えてなら、なおさら私たちに与えるものも大きいのだろう。だからこそ、こうした物語は作者を変え、時代を変え、描かれていくのでは。
 古くは平安の時代から昭和の「現代」まで、『火の鳥』とは異なり、ひたすら時系列にそって語られる壮大でかつ無駄の無い物語に、人間の愚かさや強かさを知らされるのは言うまでも無く、最後の最後では読者自身をまざまざと見せつけられることになる。天晴。


蟲たちの家蟲たちの家
(楳図 かずお) ビッグコミックス / 小学館
総合おすすめ度:100
評価:100
穴が.....!
楳図マンガのすばらしさは誰でも知っていると思うので本の作りに関してレビューさせてもらう。
タイトルになった短編はイアラ単行本や文庫サイズのシリーズで既に読んでいたが、
未読作品も収録されていたのと、本としての魅力から手に入れた。
美しい文学作品のような、異常で哀しい70年代の楳図世界をみごとな装丁でまとめあげてあると思う。
ウメズパーフェクションはさらに、「おろち」「恐怖」と装丁のすばらしさは増し、今現在(2007/12)
「超!まことちゃん」2巻でピークに達している。
評価:100
祝!50周年 ジャパニーズホラー楳図ワールド
高校生の頃、「まことちゃん」にクラス中がはまっていて 何かにつけて「グワッシ」と言っていた思い出に懐かしみ、”蟲たちの家”を吸い込まれるようにいっきに 読んでしまいました。いくつかのストーリーで個々が予想もつかない展開の結末で改めて楳図ワールドを堪能しました。何十年たってもはまります。まちがいない!!
評価:100
梅図マニアにはたまらない1冊☆
小学校のころからずっと梅図ファンで読み漁っていたのですが、久しぶりに読みました!復刊なのかオリジナルなのか?読んだことがない物語や記憶があるようでもこんな結末だったんだ!と感激しました。梅図マニア必見!!夜中のトイレには誰かについて行ってもらいましょう。


恐怖 (1巻)恐怖 (1巻)
(楳図 かずお) その他 / 楳図かずお
総合おすすめ度:91
評価:80
現在も先端
中学の頃、この第一話の「うばわれた心臓」の恐怖に取り付かれた。暫くは寝てもさめても、心臓のない少女の影を感じた。
それから30年余りたつある日、ふと、再読してみた。絵から来る恐怖はある程度克服されていたと思うが、逆に新しい恐怖に捕われた。巷に行なわれ始めた脳死臓器移植のドナーは、この恐怖を感じているのではないかと新たに恐怖する。
評価:100
トラウマになりそうな話ばかり
約13センチX29センチの漫画としては大きめのハードカバー。

収録されているのは、友情が恐怖に変わる「うばわれた心臓」、高校の理科室なのにすごい薬を作り出してしまう「毒ガ」、ピアニストの「白い右手」、ちょっと『牡丹灯籠』に似ている「顔を見ないで」、病身の妻が自画像(ウェディングドレス姿で剣を握っている)を描く「こわい絵」(何も起こらなくても、こんな絵、怖い)、気持ち悪い目をぐりぐり入れられる「魔性の目」、ちょっと前に流行っていたヤマンバギャルの心理が理解できるかもしれない「とりつかれた主役」、祟りと人間の心の恐ろしさを描いた「枯れ木」、美しい友情に隠れた嫉妬とひがみの「みにくい人」(でも「土子」って名前、どこの親が娘につけるんだ・・・ )、怪我をして病院に行ったら、待合室の患者たち、看護婦、はては医師までが自分を恐れる「灰色の待合室」の10話です。

楳図漫画は内容が濃いし、プレミアついて高いから、こんな立派な装丁にしてもっと値段を高くしなくてもいいのになーと思うけど、コレクションにするには美しいかも。

評価:100
懐かしの学園ホラーまんが
 名作「うばわれた心臓」は、このシリーズの一本です。みやこ高校新聞部のエミ子と夏彦が、学園で起こる不思議な事件をレポート。今山ほどある学園ホラーの「基本のき」がみっちりつまっております。児嶋都ファンならゼヒ読むべき!元ネタがわかりますよ。
 時代背景も懐かしい。「S」「ショーケン」「ジュリー」「ボーイフレンド」…ですから。ワキ役キャラの名前もテキトー(どて子って…)、楳図マンガに良くある「ヒドイ目にあった人もいるけど、解決したし、ま、いっか\x{ff5e}」的、ちから技ムリヤリハッピーエンドも健在。楽しい作品です。


漂流教室 (5)漂流教室 (5)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:90
評価:100
人類の変容と水たまりの成長
なぜ、未来がサバクになってしまったか。未来人類が解説を加えてくれる。食糧問題、森林伐採、大地震への不安、自殺者の増加。30年以上が経過した今でも、全く違和感なく読めてしまうところに、著者の超越した洞察力を感じずにはいられない。
人類の発展・変容を表した水たまりの描写(p.41〜p.44)は実に印象的、必見
評価:80
おいl
運粉運粉うんこ棚刀刀か。


漂流教室 (4)漂流教室 (4)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
30年前の公害問題と現代の環境問題
第4巻では、未来植物と未来人類が登場する。現代の人間にとっては未来キノコは馴れない味がする。しかし食べ続けると形を変えた未来人類として生き続けることができる。現代人間として座して餓死を待つか、似ても似つかぬ別の存在に変容しても生き続けることを選択するか。
排ガスによる大気汚染、化学物質の漏洩による地下水汚染、環境ホルモンによる海洋汚染。これらの影響が生体内で濃縮された動植物を摂取することで、ヒトの遺伝子に異常を引き起こしかねないことが指摘されている現代。さて、あなたなら、どちらの道を選択するか
評価:100
読み継いでほしい、感動の作品
 映画化もされて、あまりにも有名な作品。こどもの持つ残酷性、計算高さ、保身、人間の嫌らしさが満ちているがゆえに、母の愛と主人公の(薄っぺらくない)正義が際立って胸を打つ。読むと内容に打たれて放心してしまう。私の紹介って無力だなあ。文章であれこれ言うより〈これ読んで!面白いから〉って手渡す方がいいもんな。でも、自己満足で紹介しちゃうのであった。


漂流教室 (3)漂流教室 (3)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
ただいま
サバクでの怪虫との闘いは、ある犠牲的な方法で終焉を迎える。翔たちは、再び大和小学校に戻る時、思わず「ただいま」という言葉が口をついて出てきた。こどもたちが本当に帰りたい場所は、「おかあさん」のいる家なのだが、あまりに遠い夢になってしまった今、共同体の拠り所としての学校が「家」の代替になり始めた。さらに、日常では殆ど意識せずに使ってきた言葉が、「とても重い」言葉に変わる。
そして、構内で伝染病が勃発、翔は「おかあさん」に助けを求める
評価:100
今すぐに社会を動かせる大人にも読んで欲しい!
一気に6巻全部読み上げてしまいました。常にこれからどうなるんだという期待感とおもしろさがあり、十分に堪能できました。でもそれ以上に読み終えたあとのこの何というか重い気持ちになるのはなぜでしょう。それは、この物語が将来(しかもそんなに遠くない)の地球の姿をうまく表現できているのではないかと思えてしまうからかもしれません。自分たちの子孫のために個人として出来ることは少ないですが、それは何かを考えるいい機会になりました。


漂流教室 (2)漂流教室 (2)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:90
評価:100
母子の想い
漂流教室の第2巻では、漂流後、はじめて主人公「翔」と「おかあさん」が通じ合う。それは実に不可思議な形式での繋がりであるが、母子の「想い」がひとつの結果を生む。
また、謎の怪虫が登場し、翔たちは武器を持って闘うが、ここでも最終的に、子どもたちはある超越的な「想い」により危機を乗り切ろうとする。この怪虫の出自は第3巻で明かされる
評価:80
すさまじい!
絵のレトロさや、残酷なあらすじを淡々と伝える台詞を楽しんでください。ツッコミどころも満載。友人と一緒に読むともっと楽しめます。


おろち 3 (3)おろち 3 (3)
(楳図 かずお) ビッグコミックス / 小学館
総合おすすめ度:90
評価:100
これぞ復讐劇
「ステージ」は、若干うまく仕組まれすぎかなーという面もありますが、それを差し引いてもありあまる読み応えです。ほんとに足の長い復讐劇!人はここまで執念深く生きられるのだなあと恐ろしくなります。
評価:80
長くても名編
 二巻のレビューでも触れましたが、この巻収録の二編は両方とも男性に焦点が向けられています。

 『ステージ』は『おろち』屈指の名編。父親を無残にも目の前で轢き逃げされた幼き男の子は、犯人の顔を覚えていたにもかかわらず裁判では取り合ってもらえず、その子どもという境遇のゆえの無力を悟る。やがて面した愛する父の仇に対して彼の企てたのは、最も効果的な、最も絶大な形での復讐だった。手塚治虫『ブラックジャック』『七色いんこ』中のエピソードにもけして劣らない、緊迫の復讐劇です。
 『戦闘』はすばらしく優しく高潔な父親を持った息子の話。あまりにも善良なその父親の行動に彼は戸惑いを覚えつつも尊敬を抱いていた。が、ある日、隻腕隻足の老齢の男が息子の前に現われ、あまりに衝撃的な事実を語り聞かせたことから、彼の生活は一転、暗く重いものとなる。

 今回の巻は『ステージ』に対し『戦闘』が圧倒的に長いため、他の巻より読みにくく、また、『戦闘』は扱っているテーマが重く、話の筋立てが比較的軽視されているので、やや冗長に感じられるかもしれません。それでも、『おろち』随一と言ってもよいほど綿密に、深い描写をもって描かれた「あの」場面は、言葉を失ってしまいそうになる強烈な印象を読者に与えずにいられません。やはり読むべき作品でしょう。

 今回、他に気になったのは『ステージ』の扉絵! 楳図ファンにとって、扉絵は『わたしは真悟』のものが有名ですが、この頃から楳図先生のセンスはずば抜けていた!


神の左手悪魔の右手 (4)神の左手悪魔の右手 (4)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
怖いというよりとにかく面白い
あまりホラーが好きではないこともあり、本作もとにかく読むものを圧倒するような残酷描写が頭に残るばかりで真に怖いかと言われると微妙だったのですが、とにかく発想の奇抜さとストーリー展開の面白さにやられました。
一人の大女優の死と病院内での(想にだけ見える)惨劇からグッと引き込まれ、最後の病院内での決戦まで目が離せません。
楳図かずお先生はスティーブン・キングが心理描写で表現するところをイベントで表現していると思いました。
評価:100
楳図ワールド全快!!
まさに神の左手悪魔の右手です^^
そして非常にすばらしい作品です。


洗礼 (4)洗礼 (4)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:80
評価:60
美醜についてのおはなし
自分からしれっと剃った頭と醜いあざを谷川先生に見せてしまう場面には
薄ら寒い気持ちにさせられました
もしまたあなたがこれと同じ物をみたらそれが私よとあざを指差す淡々とした様子が怖いです
美醜のこだわりではなく谷川先生への尋常でない執着がテーマだったのでしょうか
けっこうなお屋敷で平和に暮らしていたのに
担任の先生にこだわるところにどこかけなげな悲しみを感じて憎みきれない主人公となりました
今なら子供でもIT長者やプロスポーツ選手くらいの注文はつけると思います
取材記者が現れたあたりからどこのやり手婆かと思う言葉づかいになり
赤ん坊少女タマミを思い出させるいじわるさで
こんな台詞を考えつく作者はただ者ではないですが
こんなひどく腐った男がこの世にいるのかとあぜんとします
この男が道路に走りだしてくる時の絵が子供の頃に見た人生最高に恐ろしい顔でした

コミックスになった時のカラーの表紙が使われていないのが少し残念です
評価:100
狂った恐怖
そこらへんのグロテスクなだけのホラー漫画ではないです。人間の神経に訴えてくる恐怖です。ページをめくる手が止まりません。そしてラストにはミステリー顔負けの大どんでん返しが待っています。こんな昔の作品に革命的な作品があったとは凄いです。必見です。恐怖してください。


神の左手悪魔の右手 (3)神の左手悪魔の右手 (3)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
楳図ワールド全快!!
楳図先生はなにも考えてないようでいろいろ考えているということがよくわかる作品でした。
評価:100
神の左手悪魔の右手(3)
「少年版おろち」のような想くんの周りで起こる、身の毛もよだつ出来事のオムニバス。3巻に収録されているのは、病弱な少女ももちゃんのために絵本を書く父親の話の「黒い絵本」と守護霊がありがたくなる「影亡者」です。ももの優しさと恐怖、父親の苦悩と愛、次はどうなるのか?とページをめくる時ドキドキします。そこまでするか?というぐらいグロテスクです。読んだ後、終わり方に深い意味を見出す人と、納得いかない人とに分かれるんじゃないかと思います。


わたしは真悟 (Volume2)わたしは真悟 (Volume2)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:80
評価:80
うめずワールドに、ギョエー!!ちびった!?
 相変わらず、強烈な表現力で強烈な物語を描く、うめず先生のパワーは凄い。青年誌連載時に全く読んでなかったので、全巻まとめて買って読んで見ました。物語は、ある少年(さとる)と少女(まりん)の「純愛」を軸に展開していき、二人のとんでもない儀式の「結婚」によって、二人のデータを入力していた工場の作業ロボットに《意識》が生れてしまう。《意識》を持った作業ロボットは、「真吾」と名乗り、(両親)である二人を慕って行動し始める・・・。

 生命とコンピュ-ター(人口知能)といった現代的なテーマに、作者の誇大妄想的(妄想癖?)ともいえる、恐怖とサスペンスを絡めた驚愕のうめずワールド!。ギョエー!!。引き込まれるように、一気に全巻読んでしまい、読後は重厚な哲学書でも読み終えたような気分です・・・。(ちょっと疲れた)

 しかし、一抹の後味の悪さも残る作品でもある。例えば、作者がかつて少年誌に連載した「漂流教室」のようなすっきりとまとまった物語ではない。前半の二人が東京タワーのアンテナの上から、救助のヘリコプターに飛び移るあたりまでの筋立てや展開は見事だが、後半イギリスに渡った後のまりんの話は、ずいぶんと荒唐無稽で壮大な悪夢のような話になってしまい(それだけに迫力に充ちてはいるが・・・)、ここらへんは、うめず先生のエンターテイメント性が、暴走しすぎた感じだ。その他にも話のつじつまが合わない部分がかなりあるのが気になる。

 おもしろい作品だし意欲作だが、うめず先生の力量からしたらこのくらいは、当たり前だと思う。ホラーに徹した作品を描くこともあるが、話の底にある、やさしいヒューマニズムがこの特異な天才を天才たらしめていることを忘れてはいけない。

評価:80
「よいっす」
よいっす。おもしろいっす。自分もう二十回は読んだっす。何度読んでもあきないっす。自分感動したっす。死ぬまで読み続けるっす。マジよいっす。マ、ママジよいっす。ホントおすすめっす。


楳図かずおこわい本 (闇)楳図かずおこわい本 (闇)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:90
評価:100
楳図かずおの異色作
 「闇のアルバム」が凄い。青年誌連載なせいか、お色気表現もムンムン。8ページ作品の連作なのだが、なんと1ページ1コマ!つまり8コマ漫画なわけだが、話はきっちり成り立っている。インパクトも大!そんな話が24本収録されている。
 「本」「ダリの男」も同時収録。どちらも女を愛しすぎた男の物語。狂った愛情が導く恐ろしい運命が悲しい。
 名作揃いでお買い得な本ですので、ぜひ。

 

評価:80
芸術
収録作品は「闇のアルバム」(1974\x{ff5e}1975)、「本」(1968)、「ダリの男」(1969)の3作品。「闇のアルバム」はいろいろな恐怖、不条理が次々と展開。不思議な楳図ワールド全開。


楳図かずおこわい本 (呪縛)楳図かずおこわい本 (呪縛)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:70
評価:80
甦ったウメズ・ホラー
 収録作「楳図かずおの呪い」は、80年代のホラーブームの頃描かれた作品。全3話ですが、全部読みきりなので、いろいろな恐怖が楽しめます。2話がちと弱めですが、1話、3話が尋常じゃないコワさ!絵も話も凶悪…。
 もう一本の「悪夢の方程式」はコメディ。数学マニアの少年が、いろいろなものに乗り移れる方程式を発見して…というお話。しかし、この本のテーマは「呪縛」なんですが。さえない中学生の自分に縛られてるって事?なんでコメディいれるんですかねえ…。その分損した気分なので☆いっこ取りました。

 
 

評価:60
作者初期の作品
収録作品は「楳図かずおの呪い」(1985)と「悪夢の数式」(1973)の2作品。「楳図かずおの呪い」はオリジナリティ」あふれる3つの小品からなるホラー。作者の作風も少しほかの作品とは異なっていて、ファンからみても、なかなか珍しい作品といえると思います。「悪夢の数式」は「まことちゃん」を彷彿とさせます。


楳図かずおこわい本 (顔)楳図かずおこわい本 (顔)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:90
評価:100
楳図サスペンス&ミステリー
 美しくあでやかな姉と地味で目立たない妹の運命が、ある日突然激変する「おそれ」。何の気なくデタラメに書いた手紙が、ひとりの女性の運命を狂わせた事を知った少女の苦悩「偶然を呼ぶ手紙」の2本を収録。
 2本とも、ストーリーが実に緻密に組み立てられており、最後の最後まで気の抜けない物語になっている。雰囲気は全然違うが、両方とも超名作。
評価:80
いろいろな恐怖
収録作品は「おそれ」(1969年)と「偶然を呼ぶ手紙」(1968年)の2作。「おそれ」では、へびや蜘蛛とはまた違う人間の中に潜む「怪物」のおそろしさを、そして「偶然を呼ぶ手紙」では、作者のまた異なった一面を楽しめます。


楳図かずおこわい本 (影)楳図かずおこわい本 (影)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:90
評価:100
凄い組み合わせの2作品を収録。
 「鏡」は、いかにも少女誌らしいお話。鏡に映る自分を眺めるのが大好きな美少女、絵美。ある日、鏡の中からもうひとりの自分が現れた!
 「復讐鬼人」は凄まじい作品。わがままな若様につい手をあげてしまった家臣、近藤無双。なにもかも失いながら、それでも復讐をあきらめぬその気迫!
 ジャンルは違えど、両方とも名作ですのでぜひどうぞ。
評価:80
現在でもいちばん
収録作品は「鏡」(1968年)と「復讐鬼人」(1967年)の2作品。どちらも、ストーリーがすばらしく、ただの「こわがらせ」とはまったく違います。私は、「復讐鬼人」は少年マガジン連載時に読みました。まだ子供でしたが、髪の毛が逆立つような恐怖をおぼえたことを記憶しています。なつかしさと恐ろしさを再度感じました。


楳図かずおこわい本 (蛇1)楳図かずおこわい本 (蛇1)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:80
評価:80
楳図 かずお蛇ものの歴史。タマミの蛇バージョン
 「口が耳までさける時」は、楳図かずお初の「蛇」モノ。ママが蛇!というパターンがすでに完成されています。
 「ヘビおばさん」は、さつきとかんなのやまびこ姉妹シリーズの一本。山の中の村が舞台で雰囲気バッチリです。
 「蛇娘と白髪魔」の蛇娘の名前が「タマミ」。そっくりなエピソードもあるので、あの「赤ん坊少女タマミ」の下敷きになった話なのかもしれません。
評価:80
蛇ワールド
収録作品は「口が耳までさけるとき」(1960)、「ヘビおばさん」(1964)、「蛇娘と白髪魔」(1968)のヘビ3作品。作者にはいくつも有名なヘビ作品がありますが、これらがその原点ではないでしょうか。


妄想の花園 3冊セット―単行本未収録作品集妄想の花園 3冊セット―単行本未収録作品集
(楳図 かずお) 小学館 / 出版社別
総合おすすめ度:100
評価:100
Must Have アイテム
笑いの妄想、ホラーの妄想、はじめの妄想の3冊からなる、楳図かずお先生の未収録作品集。 1冊1冊の内容が濃く、笑いの妄想など、落ちの部分はさすが楳図先生!と思ってしまう。
何度読んでも飽きません。全てにおいてこれは一生ものです。 
評価:100
楳図ファン必見
 楳図かずおのこれまで単行本になぜか未収録であった
作品がてんこ盛り。
 ホラーからギャグまで楳図かずおの世界が堪能できます。
 \x{e0b5}版には、表紙をあけたところに楳図かずおの花押つき。


完全復刻版「姿なき招待」「続姿なき招待」完全復刻版「姿なき招待」「続姿なき招待」
(楳図 かずお) イラスト集 / その他
総合おすすめ度:100
評価:100
楳図先生の初期探偵もの(幻想小説系)
この、「姿なき招待」は確か20年前に読んだ松本零士先生の収集本をまとめた本で紹介されていた記憶があります。もう、昭和30年に発行された当時のB6判のオリジナル単行本を入手しないと読めないと思っていましたが、ホントよかった。なんと、続編までペアで復刻されてビックリものです。このシリーズ(探偵もの)は、戦前や終戦当時から発表された、SFとも、怪奇とも言えないような、(エログロまでおまけに付いていた)幻想小説の世界から影響を受けているのでしょうか。トリックであったかのような、宿敵の怪奇さは、物語後半で因果モノのグロテスクな流れに行き着き終焉に。この後味が悪い読後の感覚は・・・。昭和40年になって発表された漫画の神様の作品、嚢(空気の底)を読んだ後のそれと同じでした。夢雄さんから高雄さんが独立の際には、ピノオと命名させて欲しい。
評価:100
こんな作品を書いておられたのか、と驚かされる本です。
 へび少女や半魚人などの恐怖漫画よりかなり前に、このようなスタイルで作品を書いておられたとは正直かなり驚きました。年柄私が読んだのはへび少女以降の作品ばかりでしたので。

 絵も登場人物の動きも現在のスタイルとは相当違っています。どちらかというと手塚治虫先生に似た感じですね。もし作者を伏せてマンガだけ見せられたらおそらく楳図先生の作とはわからないと思います。

 またこのマンガに出てくる「人面瘡」のような怪物が後の恐怖漫画の原点とするにはちょっとつながらない感じがします。この作品は「ミステリーホラー」ですが、楳図先生の恐怖マンガ最盛期は「スプラッター」作品がほとんどでしたし。そういえばブラックジャックに登場する「ピノコ」は元々こんなかんじで自分の姉妹にくっついていたんじゃ・・・。

 もう一つ完全復刻シリーズの一作目「森の兄弟・底のない町」も含めて、主人公「岬一郎」が「少年探偵」という位置づけはどうもしっくり来ませんねー。
 服装も足の長さもどう見ても25歳くらいの青年にしか見えませんよ。拳銃を撃ち慣れているようですし、旅から旅への風来坊のように登場するし。
 当時の読者はこれで納得していたんでしょうか(笑)

 でも購入してとても良かったと思っています。「懐かしの冒険活劇」の復活ですね。たまにはこういうストレートな単純さも新鮮で良いでしょう。そう現代ではむしろ「新鮮な作品」と言えますヨ。


漂流教室 [少年向け:コミックセット]漂流教室 [少年向け:コミックセット]
漂流教室 / 楳図かずお
総合おすすめ度:100
評価:100
親子の愛、そして強い子供たちの絆。
この作品を描いた楳図かずおは本当に天才だと思います。

ものすごく、訴えたいことがドカーンと胸にぶつかってきて、考えさせられる。

母子の愛って、強いですね。
実際にこういうことが起こったら…、なんて思わず考えてしまったり…。
評価:100
環境税反対?そんな人はこれを読んでみて下さい!!!
絵がリアル。展開がリアル。人間性がリアル。
こんなマンガは今まで見たことがない。このマンガに出合わなかったあなたは幸せなのかもしれない。

ある学校が生徒ごと地震によって未来にタイムスリップしてしまう。その未来は人類が勝手しほうだいにした地球の成れの果てだった。聖職者であるはずの教師の暴走、優しかった大人の反乱、生徒同士のいがみ合い。そして訪れるおどろおどろしい未来生物達。気持ち悪いんですよ。夢に出てきそうですよ。

我々、現代を生きる人間は既に死に体も同然です。馴合いの情はもう十分だ。生きるということは自分の全てをかけた闘いである。未来を懸命に生き抜いたこの本の登場人物各人に賞賛とエールを送りたい。



漂流教室 [文庫版:コミックセット]漂流教室 [文庫版:コミックセット]
漂流教室 / 楳図かずお
総合おすすめ度:100
評価:100
近未来はどうなる?
昭和49年の作品にもかかわらず、ロングラブレターの脚本(ちょっと違いましたけど)になったり、その昔大林監督が映画化したり(アメリカンスクールが舞台になっている)相変わらずの人気です。結局主人公達は帰ってこられなくて残念なんですが、子供の頃かわいそうで涙ながしました。やはりこういう漫画も現在の子供たちにも読んでほしいと思います。
評価:100
近未来の恐怖
かなり近い未来のお話です。
今のうちから少しずつ世界を変えていかないと、この作品のような未来が待っているかも。
1冊読み終わるとすぐに次を読みたくなってしまうのでセット購入をオススメします。


漂流教室〈5 再生篇〉漂流教室〈5 再生篇〉
(楳図 かずお/風見 潤) 角川文庫 / 角川書店
総合おすすめ度:100
評価:100
未来のためにできること
すべてが死に絶えた未来を生き抜く鮮やかな命。
現在の延長線上の出来事が、底なしの絶望と共に描かれている。

楳図かずおさんの世界観をそのままに、原作を読んだ人も
読んでいない人にも読んで損はさせない作品。
ラストは、ただただ感動。
そして、読み終わった後にはあたたかい気持ちが残る。

評価:100
希望
描かれるのは完全な絶望。
それに対峙するのは小さな希望。

人間の愚かさと、それに勝る生命力、猛々しさ。
今の人間に最も必要なものがここにはある気がしました。

感動間違いなしです。
自信を持って、おすすめできる作品のうちの一つです。



漂流教室 1 (1)漂流教室 1 (1)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:90
評価:100
奥深いよ・・・
漫画と思ってナメていてはいけません。
人間の泥臭いところを見る事ができます。組織はどう作られていくのが垣間見る事ができます。
TVドラマになりましたが、あくまでドラマはこの作品を原作としているだけで、全く別物といっても過言ではないでしょう!と言う事は、この原作はすごいんです。駆け抜けるように読んでしまいますよ!
評価:80
恐怖と泥臭さ
現在、フジテレビ系列でドラマ化されていますが、今日もがあって見た方も多いはずです。しかし、原作はあんなもんじゃありません。本当に恐怖、生と死と人間愛の織りなすホラードラマです。楳図先生の独特のタッチで描かれた、登場人物達の顔は本当に恐怖に染まっています。更には独特の世界観が、間違えなく読者を魅了します!!


超!まことちゃん 1 (1)超!まことちゃん 1 (1)
(楳図 かずお) ビッグコミックス / 小学館
総合おすすめ度:100
評価:100
凄まじいイマジネーションの果ての怪作!!
一大ブームを築いた『(昭和版)まことちゃん』にこんな続編があった!

『UMEZZ PERFECTION!シリーズ』第7弾に、『(平成版)まことちゃん』がいよいよ登場。
この作品は過去に1度コミックス化されていたが諸事情で直ぐに絶版になり、古本市場でも高騰していたので、
その作品の内容と単行本の供給度が少なかったことから、
以後この作品が語られる時には【伝説の】【幻の】という形容詞がつけられました。
この復刊を心待ちにしていた方も多いのではないでしょうか?
掲載時のカラーページもそのままに、47話+特別読み切り1話=全48話を全3巻で刊行
カバーや中表紙には少年サンデーの表紙を飾った旧作のカラーイラストや、ブームの中作られた当時の【10円カード】も多数収録。

旧シリーズの連載が1981年に突如として終わり、7年後の1988年にやはり突如として数本の単発読み切りが掲載。
そしてこの新シリーズの連載。
(平成版)とあるが、実際に連載が.終わったのは元年であり、連載時にも平成版とは入ってなかったので
(昭和版)(平成版)とは、後に旧シリーズと新シリーズを区別する為に付けられたタイトルであります。
そして今回の再単行本化にあたりタイトルに、【超!】という冠が付け加えられての発売ですが、
何が【超!】かって?それは言えないのら〜!

この新シリーズは、旧シリーズにはあったカラッとした笑いは影を潜め、ホラー度と下品度がUP。
絵柄もより細かい描き込みによって、全体的にダークな雰囲気になっています。
楳図の他のホラー漫画よりも怖いかもしれません。
旧シリーズが好きでこの平成版を読むと、あらゆる意味でショックを受けること必須。

ギャグか!?ホラーか!?SFか!?
とんでもない方向に進んで行く作品。
伝説の『(平成版)まことちゃん』
・・・この作品がなぜ【伝説】と言われる所以は、あなたの目で確かめて下さい。


おろち 4 (4)おろち 4 (4)
(楳図 かずお) ビッグコミックス / 小学館
総合おすすめ度:100
評価:100
最終にして最も凄惨
 楳図perfection版『おろち』は全四巻で、本書が最終巻にあたります。『眼』『血』の二編を収録し、最終巻に恥じないものとなっています。
 
 『眼』は自宅で行われた殺人に立ち会ってしまい、後日冤罪で捕まってしまった父親の疑いを晴らすため、真の殺人犯を見つけることに奮闘する盲目の少女の話。この世の中は本当の意味において、誰が盲人で、誰がそうでないのか。探偵もの、ミステリものを思わす、スリリングな物語です。
 『血』は第一話『姉妹』を受けてのものなのかは不明ですが、再び姉妹の話。名家に生まれた姉妹のうち姉はその慎ましい態度からあらゆる素行を讃えられるが、対して妹は常に比べられ、時には周囲のあまりに理不尽な行いに涙する。そのような境遇で育った彼女たちが成長して後には、いったいどのような物語が描かれるのか。女の心理を穿つ楳図先生の筆は、やはり姉妹という題材を扱うことにおいて最も冴え渡るのか。『おろち』全編の中で、最も壮絶、最も残酷な話です。

 『おろち』は最終巻になっても、一向にその物語は衰えを見せません。この頃から『わたしは真悟』のときまでが、楳図先生の才能が最も花開いた時期ではないでしょうか。漫画史に燦然と輝いていながらも長い間文庫でしか読めなかったこの漫画(しかも近年、絶版になったのか入手困難だった)を、すばらしいデザインと装丁で復刊してくれた小学館編集部には頭が下がる思いです。
 いまは『森の兄弟』などの初期短編が非常に豪華な版で復刊されたり(自分は学生の身なので手が出ませんが…)、映画化が相次ぐなど、楳図ファンにとってかなりありがたいご時世です。その煌くほどの功績に対してやや遅い見返りのようにも思えますが、ファンとして素直に喜ぶとします。いつの日か全集が出ることを夢見て、この良質なperfectionを収集していこうと思います。若いころ楳図作品に大なり小なり魅せられた方は、ぜひぜひ購入してください。


恐怖の地震男恐怖の地震男
(楳図 かずお) 新刊・予約コーナー / フォーマット
総合おすすめ度:100
評価:100
素晴らしい!
 楳図の本はほとんど出たものは買ってますが、そのなかでも後期の傑作「イアラ」などにつながる重要作だと思います。以前、出ていてもう絶版になっている新書版と比べても、カラーが完全に再現されているのがうれしい! 表紙、本の判形、紙質まで、初版刊行時に近づけようという努力が感じられ、昔の雰囲気が手に取るようにわかり、味わい深い。貸本の元本は高価でとても手が出なかったけれど、マンガとしては安くない値段だが、刊行時に近い形で読めるのはやはりありがたい。解説の荒俣宏、竹熊健太郎氏もいつになく力が入っていて、本書の価値がよくわかる。ぜひ、この勢いをおとさず、最終的には「楳図全集」が揃うように刊行を続けてほしい。


ねがいねがい
(楳図 かずお) ビッグコミックス / 小学館
総合おすすめ度:100
評価:100
非常に良質な作品集
 表題作『ねがい』は楳図ファンの間で人気が高く、登場する人形モクメも同様にたいへん人気あるキャラです。内気で友達のいない少年がゴミなどから丹念に作り上げたモクメ。他人にとっては醜悪でも、自分にとってはかけがえのない友達。彼はクラスの少年の言葉を真に受け、『宇宙の力』によって生命を吹き込むことを試みます。けれど効果は出るはずもなく、そのうち年月が去り、普通に仲の良い人間の友人ができた彼は、もはや不要となったモクメを捨て去る。そしてある日、そんなことなど忘れて楽しい日々を送っていた少年に降りかかる災難とは……。

 この本には上記の『ねがい』以外にも素晴らしい作品が収録されています。『Rojin』『鎌』など、まさに一流の仕事です。ちなみに『鎌』はすさまじく怖い作品なのに、最後は爆笑してしまいました。理由は読んだ方のみわかると思います。この本は装丁も大変豪華なので、怖くて面白くて、そして中身はとてもあたたかい楳図漫画が好きな方は、ぜひ手に取ってください。


洗礼 (3)洗礼 (3)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:80
評価:80
うすら怖い
楳図作品の何が怖いかというと、それは私達の中にあるものを描いているからだと思います。
この作品はそんな人間の怖さを描いた代表的なものです。

失われていくものに対する執着心、恐怖心。
誰にでもあるものだからこそ、怖い。自分さえも得体が知れなく思えてくる。

そして、特にクライマックスでは、楳図作品の真骨頂、人間の想い(妄想)が、具体的な力を持って描かれています。

怖いけどついつい最後まで読んで、取り返しの付かない恐怖におびえてしまいました。



洗礼 (2)洗礼 (2)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
女の怖さ
楳図かずおの代表作のひとつ。簡単に説明すると元女優の母親が若さを取り戻すために自分の娘の体を乗っ取るという話。この話では女性の美への異常なまでの執着が描かれている、このような女性心理まで描く楳図かずおの作品の幅の広さには驚かされる。


わたしは真悟 (Volume3)わたしは真悟 (Volume3)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
わたしは真悟
これぞ梅図ワールド!
読んでいてわくわくしてしょうがありません。
また、どこか暖かい作品でした。


14歳 (13)14歳 (13)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
途方も無し。
堂々の完結編です。
この作品は、はっきりいって途方もないです。
あまりの途方もなさに、人生観が変わってしまいそう。

「14歳で終わる」
謎の言葉で始まるストーリーは、地球の崩壊とともに突き進んで行く。
人類に生き残る術はあるのか??

「14歳」の世界はやがて宇宙にまで広がっていく……!
読んで下さい。



14歳 (2)14歳 (2)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
目が離せない恐怖
怖い!いやーな怖さです。大がかりで突飛でな物語の流れ、しかし巧妙に組み立てられている。14歳というキーワードにまだまだ秘密が隠されている。そして、いきなりすべてを放り投げたかのような笑えるシーンも挿入され、その異質感が「これぞ!」と思わせるものなのです。


14歳 (9)14歳 (9)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
急展開
人類滅亡?!
今人間に必要なのは何か?脳髄を刺激する近未来破滅型ストーリー。

今まで、たんたんとしていた展開が、この巻で急展開を迎える。
続刊をいそいで読みたくなる第9巻。

あの有名なラストの衝撃までもう少し、いよいよカウントダウン!!



わたしは真悟 (Volume4)わたしは真悟 (Volume4)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
心を持った存在とは。
主人公の悟は小学生である。彼の父親が働く工場に一台の工業用ロボットが入った。悟はある時別の小学校の生徒である真鈴と知り合い、互いに惹かれあう。二人は、悟の父親の工場に潜り込み、ロボットをいじるようになった。そして普通の工業用ロボットに何かが芽生え始める。それは次第に膨れ上がり、ロボットを機械とは異なった存在へと変貌させていく。悟と真鈴の絶望的な愛は大人たちの意思で引き裂かれ、そして心を持ったロボットは悟から託された言葉を持って工場を飛び出した。

この作品はロボットが心を持ったとしたらという主題で描かれた作品である。古くは『鉄腕アトム』などで扱われている主題だが、ここでは心を持ったロボットが、自我に目覚め、目的を持ちそして様々な心の動きを自覚する流れが、時に直接的に、時に抽象的に描かれており、単なる心を持った機械が活躍するという話ではない。言ってみれば心の発露から育ち、作られていく流れを描いているのだろう。

また作風も独特で、前半のハイテンションなギャグが後半になるとなりを潜め、暗くどんよりとした雰囲気に変貌する。その格差に戸惑いながらも、物語にどんどん引き込まれていく。心を持つということは人間になることではない。ロボットにはロボットとしての心が存在する。そういうことなのだろうか。

単なるSFでは満足できない人、心の存在に興味がある人はご一読あれ。



神の左手悪魔の右手 (2)神の左手悪魔の右手 (2)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:80
評価:80
想像を楽しむ
作家の想像力をフルに楽しめる作品。

次から次へと、出てくる妄想の産物のオンパレードが嬉しい。
なんだか生活に疲れたら、コレを読んで、壊れてみるのもいいかも。

そんな感じ。面白いですよ。



14歳 (8)14歳 (8)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
歴史に残る大傑作
個人的には楳図かずおの最高傑作ではないかと思います。この人しかこんな話は絶対に描けません。読者の予想をはるかに超える展開。崩壊していく地球。恐ろしい怪物。この巻のラストで現れる「何か」。頭がおかしくなりそうな展開で震えます!たぶん読んだ人は次の巻もすぐに読みたくなると思うので、まとめ買いしたほうが良いと思います。


愛の奇蹟愛の奇蹟
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:80
評価:80
インパクト強し
楳図かずおの実験的な短編集です。この巻はタイトル通り、割とハッピーエンド系が集められています。漫画に描かれている日常生活等、今となっては時代を感じさせる部分も多々ありますし、ストーリー展開が破綻している作品もありますが、作品のイメーヂはなかなか強烈です。近年こういったスタイルの漫画が少ないこともあり、なかなか楽しめるのでは。


楳図かずおこわい本 (神罰)楳図かずおこわい本 (神罰)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
楳図ワールド
収録作品は「残酷の一夜」(1969)、「死者の行進」(1967)「地球最後の日」(1966)、「人喰い不動」(1967)そして「肉面」(1966)の5作品。作者の多才さを十分堪能できる1冊。「人喰い不動」と「肉面」は作者がいつもすばらしい才能を発揮する時代物。「死者の行進」では、怖さだけでなく、いろいろなことも考えさせられます。時代物も含め、実際にこのような恐ろしいことがあったであろうと考えると、思わず身震い。悪夢にうなされそうな、また楳図ファンにはたまらない作品ばかりです。


へび少女―楳図かずお恐怖劇場へび少女―楳図かずお恐怖劇場
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:60
評価:60
1960年代の典型的な楳図恐怖世界
1960年代の、貴重な少女マンガ、恐怖マンガです。
描写力という点でみると、後の大作(『わたしは真悟』『14歳』ほか)
より、コマのテンポがいい調子といえます。

まだ、映画的な描写にのめりこんでいく、はるか以前の、
純粋に、怖さ、異形(今回はヘビ)のモノの呪いが、
親子代々に受け継がれ、決して逃れられない運命を背景に、
黒と強烈な陰影を使って描写する、怖い顔のアップ、という
楳図ワールドの個性を存分に発揮しています。

今ではなつかしい感じの、いかにも少女マンガ的な雰囲気を
味わうことができ、ある年代以上には、なつかしい郷愁が、
若い世代には、新鮮な驚きがある、のではないでしょうか。

文庫本で入手できるのも価値があります。
もっと、文庫本で手軽に、ほかの初期作品も読めるように
してほしいです。


楳図かずおこわい本 (異形2)楳図かずおこわい本 (異形2)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:60
評価:60
笑い仮面
異形1からの続編。「笑い仮面」の後編です。この想像力はどこからくるのか、恐ろしくもまた面白い作品。


14歳 (5)14歳 (5)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
恐怖による環境問題への意識
 楳図 かずお渾身の長編漫画です。
 読んでいるうちにぐんぐん引き込まれていくのですが、単なる漫画ではなく、今私達が考えなくてはいけない課題が・・・
 といいたいところですが、そういった教科書的な説明なんかより、恐怖により、地球環境のことを考えなくては仕方がなくなってしまう漫画です。
 ある意味、ホラーです。
 某大国の大統領も読まれたほうがいいかと・・・


14歳 (3)14歳 (3)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
楳図ワールド全快!!
いやぁホントおもしろいですこの漫画。
怖すぎると読んでいるとふいに大笑いそんな漫画です。
オススメです。


アゲイン 6 (6)アゲイン 6 (6)
(楳図 かずお) アゲイン / 楳図かずお
総合おすすめ度:80
評価:80
まことちゃんへの布石
まことちゃんではすっかりおとなしくなってしまうが、じいさんはこんなに活躍していたのです。
最後は、お笑いじゃない青春物になってますが、剣道を通して人間が本気になったときのすばらしさを描いてます。


楳図かずおこわい本 (虫)楳図かずおこわい本 (虫)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
「蝶の墓」いっぽんの本です。
 1968年から1969年にかけて連載された作品。ややハイティーン向けの雑誌だったせいか、イカニモ少女まんがみたいな絵ではないし、お話もこってます。
 「生まれてすぐに母を失っためぐみ。ちいさな頃から蝶が怖くてたまらないのだが、原因はまったくわからない。蝶への恐怖がたかまって、ついに幻覚まで見るようになっためぐみの運命は?」
 と、いうストーリーですが、潜在意識のはたらきなど、心理学的な問題を扱ったストーリーは、どこかヒッチコック的。美少女がひたすら追い詰められる所はダリオ・アルジェントでしょうか?
 超自然現象ヌキのサイコ・サスペンス。読んで損ナシ。


楳図かずおこわい本 (狂乱)楳図かずおこわい本 (狂乱)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
おすすめ
収録作品は「ふりそで小町捕物控」(1967)、「凍原」(1973)、「手」(1968)、「雨女」(1967)、「面」(1968)、「スクール」の6作品。
「ふりそで小町捕物控」はストーリーがすごい!ぜひお勧めの1冊。それにしても、楳図かずおの作品は、大人向けのシュールな秀作ばかりだとこの1冊で再度実感。


楳図かずおこわい本 (怨念)楳図かずおこわい本 (怨念)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:60
評価:60
かわいらしい楳図作品もあります
収録作品は「谷間のユリ」(1972)、「ねむり少女」(1965)、「木の肌花嫁」(1966)、「恐怖人間」(1963)の4作品。「ねむり少女」はこれが楳図かずお?というほど絵柄がかわいらしく、昔子供の頃にはやったぬり絵を思い出しました。対照的に「恐怖人間」は楳図かずお流フランケンシュタイン。


まことちゃん (5)まことちゃん (5)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:20
評価:20
ごめんなさい
私は楳図かずおの作品は大好きです。
が、「まことちゃん」だけはどうも……。ギャグマンガっぽいのに、汚いし、薄気味悪い。
小学生の時、読んで大変ショックを受けたのを憶えています。
そういう意味では、力のある作品なのかも知れません。
なので、つまらないとは言い切れない、なにかがあるのは確かです。

多分、私がうまく受け止められないだけで、この作品が好きな方は沢山いると思います。
好き嫌いの分かれる本だと思います。



アゲイン 5 (5)アゲイン 5 (5)
(楳図 かずお) アゲイン / 楳図かずお
総合おすすめ度:60
評価:60
アゲイン(5)
小学生のときに買ったこのシリーズの一番最初のコミックが、この5巻目でした。
何回も繰り返し見たこの漫画が、当時と同じ装丁のまま売っている!
ということで買わずにはいられませんでした。

話は一人の老人が若返りの薬を飲んで、高校を舞台にドタバタ喜劇を繰り広げるものですが、最後はしんみり感動させます。
もはや中年の私は、この作品のテーマの奥深さが分かる年齢になりました。

楳図かずお氏の描画タッチがこの作品を境に、その後変わってしまったことには個人的にガッカリでしたが、中期の楳図作品の最後を飾る異色快作だと思います。



楳図かずおこわい本 (蛇2)楳図かずおこわい本 (蛇2)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
楳図かずお先生、少女読者を恐怖のどんぞこに…。
 1970年、少女フレンド連載作品。なんと、楳図かずお先生の妹が登場します。名前は魔子ちゃん(赤いベレーが可愛い)。魔子ちゃんは不思議な出来事を「魔子の恐怖ノート」に記録するのが趣味。そのノートの中から紹介してくれるお話が「うろこの顔」。この一作品が本の全てをしめてます。
 お話は「うじゃうじゃへびだらけ!おねえちゃんがヘビだけど誰も信じてくれないしなんかノイローゼだけど最後の2ページでハッピーエンド。人間にもどれてラッキー!」みたいな、楳図少女マンガ黄金パターン。素晴らしい!
 


楳図かずおこわい本 (蜘蛛)楳図かずおこわい本 (蜘蛛)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:80
評価:80
懐かしい少女ホラーまんが
 本一冊まるごと「紅グモ」です。1965年の少女フレンド連載作品。少女誌ですので、絵がおめめピカリーン、まつげバチバチです。でも当時の少女たちには、さぞや怖かったことでしょうね…。
 お話は、「ママが怖くてお友達が皆おかしくなって、でもとってつけたようにハッピーエンド」ってパターン。この手のお話を楳図かずお先生はいくつ描いたんでしょう?当時の必勝パターンだったんでしょうね。「ママが怖い」バリエーションは。


まことちゃん (12)まことちゃん (12)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
面白怖いのに、かわいいまことちゃん
 一級のギャグ漫画。楳図漫画の洗礼を、私はこれで受けた。幼稚園当時はただ面白くて笑っていたのだが、文庫版を入手して読み返したら、面白いだけではなくエロティックホラーだったとは!!たいへんに面白怖い作品である。今の日本に失われつつある家族の絆も濃厚に描かれていて、ちょっとノスタルジア。イマドキのガキの「クレヨンしんちゃん」より、私ゃ断然「まことちゃん」派だ。文庫版に、何故か1970年代の作品しか収録されていなかったのが無念。1980年代の「まことちゃん」は記憶の限りでは単行本になっていないようなのだが…内容がヤバすぎてクレームがついたのだろうか。もう一度読みたい。たのむよ、小学館!!


恐怖 (2巻)恐怖 (2巻)
(楳図 かずお) その他 / 楳図かずお
総合おすすめ度:100
評価:100
再び、トラウマになりそうな話ばかり
これも1巻めと同じく、大きめハードカバーです。合計8話が収録されています。

枕元において寝ると怖い夢をみるという「こわい本」、自分が寝ている間に何かをしていたら、と思うと恐ろしくなる「夜あるく者」、昔話の『雪女』と似ている「雪女」(この手の話は楳図まんがに何度も出てくる)、棺桶から出ようともがいた形跡のあるミイラを先祖に持つ「イヌ神」、 悪ふざけで神社から持って来た鬼の面をつけられてしまう「吸血面」(どう考えてもバチが当たるよ)、おじいちゃんと孫の悲しくも温かい愛情話から始まるため、かえって恐ろしく、読み終わるころには凍り付いていること請け合いの「サンタクロースがやってくる」、不気味ないわれのある釣り鐘の「われたつり鐘」、生きている者と死んだ者、両方の恐ろしさと醜さを描いた「雪山のまねき」。

これも恐怖1巻めと同じく、みやこ高校の新聞部、エミ子と夏彦が体験したり見聞きしたりする恐怖の数々。最後の2コマぐらいでオチがつくが、この漫画は、理論的に恐怖を分析するのではなく、本能的に感じる恐怖そのものを描いたものだからだろう。しかし、「ドテ子」って、いくらニックネームとはいえ、一応ホラー漫画なのに・・・


楳図かずおこわい本 (異形1)楳図かずおこわい本 (異形1)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:60
評価:60
SFも
収録作品は「首」(1970)、「独眼鬼」(1970)、「怪獣ギョー」(1972)、「悪魔の手を持つ男」(1965)、「笑い仮面前編」(1967)の5作品。時代物からSFまで多彩なホラーを味わえる1冊。「笑い仮面」は前編のみ、最後はちょっとびっくりの大作SFです。


14歳 FORTEEN [文庫版:コミックセット]14歳 FORTEEN [文庫版:コミックセット]
14歳 / 楳図かずお
総合おすすめ度:100
評価:100
漂流教室とセットで・・・
楳図先生の漂流教室を読んだ後に、読まれる事をお勧めいたします。漂流教室の続編と言っても良いでしょう。
スケールが大きく正に現代の汚染、飽食の社会を風刺していると言っても過言ではないでしょう。この結末が、ハッピーなものかバッドエンドかは個人、個人とらえ方は違うと思いますが、私は今の世界を見ていると、楳図先生の描く未来の様までには、いかなくても地球が壊れてきている感じがします。そんな地球にならないようまず生活を改善していこうと思った程、影響を受けました。おすすめです!


洗礼 [文庫版:コミックセット]洗礼 [文庫版:コミックセット]
洗礼 / 楳図かずお
総合おすすめ度:100
評価:100
恐怖!
ドキドキハラハラしながら読んだ楳図かずおの代表作のコミックセットです。
かなり昔に読んだのですが、今読んでもちっとも色褪せることなく面白い!

幽霊やお化け話の怖さよりも、生きた人間の欲望って何倍も恐ろしいものなのですね。



漂流教室〈4〉邪教篇漂流教室〈4〉邪教篇
(楳図 かずお/風見 潤) 角川文庫 / 角川書店
総合おすすめ度:80
評価:80
喚起される光景
漫画のあの強烈な光景が、素晴らしい文章で表現されています。読者は恐怖と感動をもう一度味わうことができるはずです。


恐怖劇場/へび少女恐怖劇場/へび少女
(楳図 かずお) 小学館 / 出版社別
総合おすすめ度:60
評価:60
1960年代の典型的な楳図恐怖世界
1960年代の、貴重な少女マンガ、恐怖マンガです。
描写力という点でみると、後の大作(『わたしは真悟』『14歳』ほか)
より、コマのテンポがいい調子といえます。

まだ、映画的な描写にのめりこんでいく、はるか以前の、
純粋に、怖さ、異形(今回はヘビ)のモノの呪いが、
親子代々に受け継がれ、決して逃れられない運命を背景に、
黒と強烈な陰影を使って描写する、怖い顔のアップ、という
楳図ワールドの個性を存分に発揮しています。

今ではなつかしい感じの、いかにも少女マンガ的な雰囲気を
味わうことができ、ある年代以上には、なつかしい郷愁が、
若い世代には、新鮮な驚きがある、のではないでしょうか。

文庫本で入手できるのも価値があります。
もっと、文庫本で手軽に、ほかの初期作品も読めるように
してほしいです。


漂流教室 4 (4)漂流教室 4 (4)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
ドラマや映画とは違う
TVドラマや映画とは、設定以外全く別物です。興味を持った方は是非読むことを薦めます。傑作ですから。ホラーであり、最後は感動するという稀有な作品です。それにしてもこれが少年サンデーで連載されていたとはすごいなあ。


漂流教室 5 (5)漂流教室 5 (5)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
楳図ワールド全快!!
残酷で怖い。
しかし現代の問題を鋭くついている。
涙の感動作品です。


漂流教室 10 (10)漂流教室 10 (10)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
最高の経典
この作品は、私の人生に多大な影響を与えています。
ただのマンガではありません。
家族の愛、友情、自然破壊、色々な事を考えさせられます。
一番好きな本は?と聞かれたら、いつも「漂流教室」と
答えています。
お勧めです!!!


やさしい『唯脳論』やさしい『唯脳論』
(養老 孟司/楳図 かずお) 生理学 / 基礎医学
総合おすすめ度:80
評価:80
ぐわし!
養老先生の漫画好きは有名であるが、まことちゃんの楳図かずお先生までテリトリーに入っているとは少々驚きです。
内容はとてもわかり易く、高卒の私でもついていけます。ただ、初版が1996年のため、記述内容は古いです。


神の左手悪魔の右手 1 (1)神の左手悪魔の右手 1 (1)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫
総合おすすめ度:100
評価:100
想像よりグロかった
小学生の想が体験する恐怖。いきなり1ページ目からすごいことになってます。そして、そのままのテンションでどんどん進んでいきます。楳図作品でグロさ\x{2116}1です。よくこんなこと考えられるなあと思います。


まぼろし少女まぼろし少女
(楳図 かずお) コミック・アニメ・BL 全般 / コミック・アニメ・BL


城跡にひそかに集まれ!!城跡にひそかに集まれ!!
(楳図 かずお) その他 / 楳図かずお


赤い蝶の少女赤い蝶の少女
(楳図 かずお) 新刊・予約コーナー / フォーマット


猫目小僧 2 (2)猫目小僧 2 (2)
(楳図 かずお) ビッグコミックス / 小学館


恐怖 2 (2)恐怖 2 (2)
(楳図 かずお) ビッグコミックス / 小学館


14歳 (12)14歳 (12)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫


まことちゃん (3)まことちゃん (3)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫


14歳 (11)14歳 (11)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫


14歳 (10)14歳 (10)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫


わたしは真悟 (Volume6)わたしは真悟 (Volume6)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫


宿り花―楳図かずお幻想ロマン宿り花―楳図かずお幻想ロマン
(楳図 かずお) その他 / 楳図かずお


雪の花―楳図かずお幻想ロマン雪の花―楳図かずお幻想ロマン
(楳図 かずお) その他 / 楳図かずお


恐怖への招待恐怖への招待
(楳図 かずお) コミック・アニメ研究 / その他


14歳 (7)14歳 (7)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫


ドアのむこうドアのむこう
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫


内なる仮面内なる仮面
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫


14歳 (6)14歳 (6)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫


楳図かずおこわい本 (怪物)楳図かずおこわい本 (怪物)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫


14歳 (4)14歳 (4)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫


灰色の中の影像―楳図かずおデビュー50周年記念出版灰色の中の影像―楳図かずおデビュー50周年記念出版
(楳図 かずお) その他 / 楳図かずお


まことちゃん (6)まことちゃん (6)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫


まことちゃん (4)まことちゃん (4)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫


アゲイン 4 (4)アゲイン 4 (4)
(楳図 かずお) アゲイン / 楳図かずお


完全復刻版「花びらの幻想」「続花びらの幻想」完全復刻版「花びらの幻想」「続花びらの幻想」
(楳図 かずお) その他 / 楳図かずお


アゲイン 2 (2)アゲイン 2 (2)
(楳図 かずお) アゲイン / 楳図かずお


[豪華愛蔵版] 楳図かずお・イアラ[豪華愛蔵版] 楳図かずお・イアラ
(楳図 かずお) その他 / 楳図かずお


アゲイン 3 (3)アゲイン 3 (3)
(楳図 かずお) アゲイン / 楳図かずお


楳図かずおこわい本 (Vol.10)楳図かずおこわい本 (Vol.10)
(楳図 かずお) その他 / 楳図かずお


別世界,幽霊を呼ぶ少女(全2冊)別世界,幽霊を呼ぶ少女(全2冊)
(楳図 かずお) 新刊・予約コーナー / フォーマット


まことちゃん (10)まことちゃん (10)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫


まことちゃん (8)まことちゃん (8)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫


まことちゃん (9)まことちゃん (9)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫


まことちゃん (7)まことちゃん (7)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫


まことちゃん (11)まことちゃん (11)
(楳図 かずお) コミック / 新書・文庫


少年探偵・岬一郎 短編集少年探偵・岬一郎 短編集
(楳図 かずお) イラスト集 / その他


楳図かずおこわい本 (Vol.8)楳図かずおこわい本 (Vol.8)
(楳図 かずお) その他 / 楳図かずお


楳図かずおこわい本 (Vol.7)楳図かずおこわい本 (Vol.7)
(楳図 かずお) その他 / 楳図かずお


楳図かずおこわい本 (Vol.3)楳図かずおこわい本 (Vol.3)
(楳図 かずお) その他 / 楳図かずお


楳図かずおこわい本 (Vol.1)楳図かずおこわい本 (Vol.1)
(楳図 かずお) その他 / 楳図かずお


楳図かずおこわい本 (Vol.11)楳図かずおこわい本 (Vol.11)
(楳図 かずお) その他 / 楳図かずお


楳図かずおこわい本 (Vol.14)楳図かずおこわい本 (Vol.14)
(楳図 かずお) その他 / 楳図かずお

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